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オカモトショウ(OKAMOTO'S)と松尾レミ(GLIM SPANKY)をゲストに招き、結成20周年およびデビュー15周年を祝す9作目。まず、初っ端の“DO THE BOP!”、折り返しの6曲目“GET OUT OF MY WAY”、そして最後の“ROCK‘N’ROLL MAN”と、要所に置かれた楽曲で50年代の誕生原初のロックンロールを完全再現したが如き、粗野にして激ロマンティックな音像が描き出されていることに感動を禁じ得ない。この3曲は間違いなくバンドにとってひとつの到達点だろう。ただ一方、全曲この音で録ればいいのに、と思わせないことがここに至る彼らの歩みの正しさを証明してもいる。つまり、完璧な「型」を有するはずのロックンロールを、「今」の「日本」でどう新鮮に鳴らすかという命題に挑み続けてきた彼らだからこそ、本作に宿るバリエーションの豊かさに1本筋が通っているのだ。ロックンロールはいついかなる時も最高無比のカルチャーであり、だからこのバンドもそうなのだと言えるような存在になってきていることは、本当にすごい。(長瀬昇)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年6月号より抜粋)
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