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メジャーデビューを飾る記念すべき作品。ここが正念場とばかりに肩肘を張ってもおかしくないものだが、進化こそあれブレないのがシャイトープ。ひたすらロックに傾倒するのではなく、バラードでも魅せていく抜群のバランス感は今作でも健在だ。リードトラックの“ヒカリアウ”は、“マーガリン”や“Begin Again”を連想させる、ストレートな歌詞が印象的なアッパーチューン。新たなスタートラインに立つ今、《悩むことに疲れたって／生きることは素晴らしいって／ひとりぼっちの君に何度だって歌いたい》と伝えてくれる心強さよ。一方で“skin”は、コーセーコスメポート「クリアターン ごめんね素肌マスク」WEBムービーソングとして書き下ろされた、柔らかな言葉で大切な人への想いを紡ぐラブソング。感情を出し惜しみしないエモーショナルな歌声が、胸の中にしまいこんだ本音を溶かしてくれることだろう。自らの可能性を自分たちで制限しない、柔軟なロックバンドであり続ける未来を確信させる1枚だ。（坂井彩花）（『ROCKIN'ON JAPAN』2024年8月号より抜粋）
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