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収録曲の一覧を見てここまで衝撃を受けたのは初めてだ。だって、収録された12曲の曲名が1月から12月までの月数なのだから。TETORAは現代でも配信をしない強者だが、それはCDを買って、ワクワクしながら家に帰り、プレイヤーで流しながら歌詞カードとともに楽しむという従来の方法で自分たちの曲を届けたいという気持ちがあるから。作詞作曲を担当する上野羽有音(Vo・G)の「今回も今のところ配信の予定は無いので、CDを手に入れてスミからスミまでぜひ堪能してみてください」というコメントからもそれがわかる。収録された楽曲は月ごとに季節感を感じる歌詞にストレートなロックサウンドを乗せたTETORAらしいものばかり。曲順を見ると7月から始まって、順番はバラバラ。だけど、通して聴くと起承転結があり、物語が広がっている。なぜこういう並びなのか?と考えさせられた時点で曲順がいかに大切なのかも再確認させられた。そこも面白い。本作が示す答えも気になるので、そこをひもときながら楽しみたい1枚だ。(岩田知大)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年8月号より抜粋)
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