カネヨリマサルの対バンツアーファイナルZepp Shinjukuは剥き出しの日記の朗読を見るようだった

カネヨリマサルの対バンツアーファイナルZepp Shinjukuは剥き出しの日記の朗読を見るようだった
あなたはカネヨリマサルのライブを観たことがあるだろうか。
この3ピース女子が奏でるストレートな音には特別なリアリティがある。しかしその表現もどこか本質を掴んでいないというか、薄っぺらく感じる。
ソングライターちとせみなの、時々の切実な感情の発露が曲を書くことであり、ライブで歌うことなのは間違いない。こうした音楽を作ることが彼女たちにとって生きることと限りなくイコールであり、呼吸装置でもあるのだろう。
パーソナリティーの究極のような表現手法なのだが、それを目撃すると我々は世代を超えて感動するし共感するし興奮する。ポップミュージックとしてその普遍性を生んでいるのは独特な歌声でありキャッチーなメロディーであり感情を揺さぶられる歪んだギターでもある。
彼女たちのプロフィールには「日記みたいなバンドです」という紹介がある。あまりに一人称の作風だからなのだが、そのライブは思い切り感情を込めた日記の朗読で、その音楽を浴びているとどこか落ち着かなく焦燥感にも駆られる。でも次回も必ず観たくなる。
カネヨリマサル、とても不思議なバンドだ。そういえばバンド名も変だ。

ツアーファイナル(この先に延期、振り替えはあるが)の対バン相手は同郷大阪の盟友TETORA。カネヨリマサルへの友情とリスペクトを表明し続けたそのアティチュードは誠実でとても好感が持てた。
(海津亮)


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