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月9ドラマ『海のはじまり』の主題歌として書き下ろされたback numberの新曲。清水依与吏はこの曲に寄せて「恥ずかしいくらい混じり気のない『自分』という名の一色で書ききった」とコメントしているが、まさに「『自分』という名の一色で書ききった」という言葉にふさわしい楽曲に仕上がった。それはドラマのストーリーに共感したとか、登場人物に感情移入したとかそういう表層的な話ではなく、この作品に対して誠実に向き合おうとすれば自ずと自分自身を曝け出さざるを得なかったということなのだろう。大きな愛と威厳をもった父親ではなく、《自分じゃできやしないけど》と思いながらも必死に願い、祈る、弱くて情けない等身大の男の姿を描くこの曲の歌詞は清水がかつて何度も描いてきた恋愛に敗れて打ちひしがれる主人公と重なる。それでも《真白な君の未来》を目の前にして打ちひしがれているわけにはいかない。《誰の人生だ》という叫びのようなリフレインにはそんな決意が滲んでいてひたすらに胸を打つ。（小川智宏）（『ROCKIN'ON JAPAN』2024年9月号より抜粋）
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