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2019年の映画『キングダム』第1作主題歌“Wasted Nights”に続き、第4弾となる最新作『キングダム 大将軍の帰還』の主題歌として提供された“Delusion:All”。昨年リリースされた“Make It Out Alive”で繰り広げたマッシブなラウドロック感をさらに推し進めたような、超重量級のアンサンブル。雄大なメロディとともに歌われる《I pray there's a future behind those walls/But maybe I'm delusional(あの壁の向こうに未来があるようにと僕は祈る/だけどそれは僕の妄想かもしれない)》という象徴的なフレーズ越しに群雄割拠の春秋戦国時代と「今、ここ」のカオスの両方を射抜き、時代を超越したロックのダイナミズムを描き出してみせる凄絶なドラマ性。理想と現実、分裂と孤独、自由と支配……といったシリアスなテーマ性を3分強のトラックの中に高純度で凝縮しながら、世界基準に磨き抜いたサウンドの強度によって、聴く者の魂をロックの銀河へと解き放つONE OK ROCK。いよいよ途方もない次元へと踏み出しつつあるようだ。(高橋智樹)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年9月号より抜粋)
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