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パリオリンピック・パラリンピックにちなんでミューズはジャンヌ・ダルク。デビュー46周年の国民的バンドが、はじめましてみたいな顔をして思い切り情熱的な、かつコテコテの泥臭いロックンロール/サザンロックをぶちかましている。そのグルーヴは確かに歴史の味わいを踏襲しているのだが、コズミックなシンセフレーズが未来的な響きをもたらしていたりもする。懐かしいようでどこか新しい。2024年にストレートにロックすることの違和感を承知のうえで、十分な勝算をもって音を鳴らすから、こうなるのである。まるで、ついさっき地球に飛来したばかりのエイリアンが、初めてロックンロールに興奮した勢いでバンドを結成してしまったかのようだ。この曲の最大のテーマはそんなロックの響きそのものにあるのだけれど、歌詞においては不屈の反骨精神が、平和と自由への祈りが、燃え盛る恋心が、そしてステージに立つ興奮が織り込まれており、あらゆる切り口からロックンロールが象徴するものを裏付けている。完璧だ。(小池宏和)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年11月号より抜粋)
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