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「くら寿司」のオリジナルテーマソングとして歌詞と楽曲を一般公募し、約400件の中から作られた“きっとコースター”。結果として作曲・編曲として採用された潟村拓哉はtori名義で活動するボカロP、作詞のNo-Imageもまたカヤバシュンタ名義で活動するボカロPであった。かくして知らない者同士のコラボで画期的な楽曲が誕生。軽快なテンポ感とキッチュなイージーリスニング感は日頃の憂さや悲しみを癒してくれる飲食店という「場」を体現し、歌詞には回転寿司を連想させるワードが遊び心たっぷりに詰め込まれ、それをAdoがいつにも増してキャッチーに歌い上げる。そしてすでに老若男女が口ずさむ国民的な楽曲となりつつあるという、かなり情報量の多い現象がこの1曲で起こっているのである。とにもかくにもAdoの懐の深さである。この振り切れた大衆性にはまたもや驚かされた。「食」を楽しむ場の多幸感をこれ以上ないほどの「わかりやすさ」と「和」の情緒で表現する。こんなタイアップの在り方もあるのかと唸る。(杉浦美恵)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年1月号より抜粋)
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