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《どこで誰と何をしていてもここじゃなかった/生きていたくも死にたくもなかった》──行き場なき空虚とヘヴィネスを丹念に綴ったこの曲に、米津玄師は自らの生年=“1991”を題名として冠した。新海誠監督のアニメーション作品『秒速5センチメートル』に心震わせた10代当時の米津が、後に“感電”や“KICK BACK”のミュージックビデオを同い年の奥山由之に託し、その奥山監督によって今年実写映画化された『秒速5センチメートル』の書き下ろし主題歌を手掛けるに至った──という運命的な展開だけでも感激必至の“1991”。だが、風に舞う桜吹雪の如きピアノの清冽な響きと、抑え難く心に浮かぶ「あの日の記憶」のように心を掻き乱す「コードの響きを持ったノイズ」とのせめぎ合いが織り成す、スリリングなほどに研ぎ澄まされた音像は、どんな重厚なオーケストレーションでも届かない魂の深淵の手触りを克明に映し出している。表現者としていよいよ前人未到の領域に到達しつつある米津の「今」を象徴する名曲。(高橋智樹)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年12月号より)『ROCKIN'ON JAPAN』12月号のご購入はこちら
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