伝説を超えた「伝説バンド」

DEAD END『METAMORPHOSIS』
2009年11月11日発売
ALBUM
DEAD END METAMORPHOSIS
DEAD ENDまさかの新作は、20年分の期待を吹き飛ばす、さらにまさか!の傑作である。まるで建設予定地の札が立ったまま20年間放置されていた荒地に、ある朝ミラノ大聖堂のような壮大な建築物が建立されていたような信じられない風景がここにある。異教だろうがその歴史を知らなかろうが、もはやひれ伏すしかない圧倒的な風格とサウンドだ。後期は脱へヴィメタに向かっていたMORRIEと湊が、YOUの楽曲に正面から向き合い、バンドの魅力と正しく向き合うことで、破格の王道感と進化が生まれている。シリアスで感動的ながらも、キャッチーなメロとロマン派が描く地獄変みたいな独自の歌詞は相変わらずで、♪殺戮の雪が降る~とか♪煉獄巡り テレパシー 君と一緒に鬼になる~とか、歩きながらふと口ずさんでハッ!とする。

これがパズルの最後のピースなのか、ここから何かが始まるのか全くわからない。10分弱の壮大なラスト曲を聴くと全て夢オチで終わらせようとしているのでは?という疑念も湧いてこなくもない。でも、こんなの聴いたら期待しないわけにはいかないじゃないか。(井上貴子)
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