女心を読むべし
MASS OF THE FERMENTING DREGS『ひきずるビート/まで。』
2010年02月10日発売
2010年02月10日発売
SINGLE
約2年間サポートを務めてきたドラム・吉野功が正式加入し、3ピースとなったMASS OF THE FERMENTING DREGS、通称マスドレ。がっちり一枚岩となったところで、このメジャー・デビュー・シングルをリリースする。2曲入りで、自主イベント「視界をクリアに」のライブDVD付きの内容で、端的にマスドレとは何ぞやということを伝えている。まず“ひきずるビート”は、90sのUSオルタナをルーツに挙げる彼女たちらしく、歪みがたっぷりと効いた宮本菜津子(B・Vo)のベースと吉野の馬力あるアグレッシブなビート、そして石本知恵美のソリッドに空気を切り裂いていくギターによる、轟音サウンド。《濁った街や人に/見とれていたのは誰?》。そんな問いかけの後ろから、漆黒の闇が迫って聴き手の体に手をかけるような、切迫感がある。もう一方の“まで。”は、同じくディストーション・サウンドが軸ながら、切なくもポップな曲となった。ドスの効いた狂気/凶器と、可憐とも言えるポップさがせめぎ合い、キケンなカオスとなった音を、何食わぬ顔で「はい」と差し出すバンドなのである。(吉羽さおり)