ロサンゼルス出身で男女2人組というと、ノスタルジックなサイケ・ポップ・デュオといったイメージを抱くかもしれないが、このグレート・ノーザンは、メジャーだのインディだのといったところからまったく解き放たれたバンドだ。メンタリティがインディであったとしても、このサウンドは間口が大きく、幅広いリスナーに訴えかけるもの。そういう意味で、アーケイド・ファイアを思い浮かべもする、グレート・ノーザンのセカンド・アルバムである。そもそも片割れ=ソロンが元30セカンズ・トゥ・マーズというところからしてその異色ぶりは察することができるというものだが、これまで共演したバンドの名前を挙げてみても、シルヴァーサン・ピックアップスからウィーザー、ブリンク182まで(これはソロンのコネクションかもしれない)と、じつにさまざま。そのことが物語るように、重厚感たっぷりのリズム隊に、フィル・スペクター的ポップネス、マーキュリー・レヴばりのドリーミー・サイケが轟く。しかも、そうした要素を具えつつあくまでポップ・ミュージックなのだ。それはもちろん、「インディ・ポップ」の意味ではない。(羽鳥麻美)