機能を優先した音楽が多い中で、どこへ向かうのかわからないまま、音楽家達が格闘し、結果、音楽が新たに生まれ変わって、大きな花を咲かせる。その模様がここではそのまま記録されている。そして、明らかになるのは、くるりの楽曲がどれもいくつもの感情の器を持っていること。1曲の中でも、まったく違うものが衝突することで、更なる高みに達する瞬間が、このライブの中では何度もある。僕はこれを観て、『ワルツを踊れ Tanz Walzer』をようやく理解できた気がする。
ちなみに初回限定盤のみ、京都磔磔と京都音楽博覧会でのライブを6曲収録しているのと、このDVDのタイトルにちなんで、横浜ウィンナーくんという謎のキャラが描かれたスペシャル・パッケージになっている。その横浜ウィンナーくんは、奈良のせんとくんにも負けないインパクトを放っている。(古川琢也)