平均年齢は弱冠23歳ながら、テクニカルな演奏力と、ロックにもダンスミュージックにも歌モノにも当て嵌まるような、柔軟にして洗練された音楽性を持った3ピース、Prague。これまでに3枚のシングルをリリースしてきたが、遂にその実力が全開になった1stアルバムを完成させた。1曲目の“Greedy Rhythm”のアウトロから、2曲目の“Light Infection”のイントロへの繋ぎ方が絶妙だったりするように、一枚を通してするりと耳に流れてくる、まさに「アルバム」でしか成し得ない表現が感じられる。さらに、メロディや鈴木(G・Vo)の心地いい声、さらに比喩から鋭い本音を感じる歌詞を生かしながらも、サビの歌に焦点を定めていく構成だけではなく、ギターが癖になるようなフレーズを奏でたり、リズム隊が踊りたくなるようなビートを叩き出したりと、聴きどころが一曲の中でちりばめられている。個々が自我をぶつけあった結果、一筋縄ではいかない楽曲が生まれたのだと思う。また、それでいてしっかりキャッチーに感じられるのだ。そこから、彼らのバンドとしての必然性を感じずにはいられない。(高橋美穂)