ひとり遊びの極意

エイヴィ・テア『ダウン・ゼア』
2010年10月27日発売
ALBUM
エイヴィ・テア ダウン・ゼア
本人名義のソロ音源としては、03年にデイヴィッド・グラブスと制作したスプリット以来。元ムームで嫁のクリア・ブレッカンとのデュオやブラック・ダイスのエリックとのテレストリアル・トーンズなど課外活動も積極的なエイヴィの、アルバムとしては本作がデビュー盤になる。

一聴した感じはアニコレの『メリウェザー~』にも近い。ブリージンなエレクトロや泡立つビート、サンプリングで拵えた不可思議なエコーに揺られて水面を漂うような感覚。ただしそのスタイルは、例えばパンダ・ベア『パーソン・ピッチ』のテクノ~アンビエントを下敷きにした反復性/規則性ある構築とは異なり、アブストラクトでフリースタイルだ。それは『フィールズ』でポップ化した現在のアニコレの以前の姿を彷彿させる。森から海辺へ、そして再び森へ――とでもいったアニミスティックな感触。前回の嫁との共演作では全編逆回転という奇策に出たエイヴィだが、ある種の宅録マインドというか、プリコラージュ的な遊び心は彼ならではのものなのかもしれない。来たるパンダの新作と併せて、これは2010年代のアニコレに向けての重要な布石となるか。(天井潤之介)
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