世界の終わりは、それを避ける。どこもボケないように、どこにもピントを当てない。
さあ、両目を閉じて。片方の目をリアルにピントを合わせて開き、もう片方の目をファンタジーにピントを合わせて開き、2つの像を立体的に掛け合わせてみよう。そのとき世界の全てに光が回る。『天使と悪魔/ファンタジー』は、そんなシングル。2曲とも四方八方どこから見ても満月の月みたいに全ての言葉とメロディが矛盾なく結びついた、ありえない感触の音楽。でも深瀬は《否定を否定するという僕の最大の矛盾は/僕の言葉 全てデタラメだってことになんのかな?》と葛藤しながら、さらにその先に足を踏み入れようとしている。(古河晋)