革命的に素晴らしいロックンロール・アルバムだ。普遍的なシングルナンバーから、珍しく女子目線の詞曲、かつてないハイトーンボイスに度肝を抜かれるヘヴィロックの咆哮など、多彩ながらどの曲もキャッチーな訴求力とメッセージを持ち、しかも破天荒で力強い。
エレファントカシマシは、生きるとは何か、というシンプルな命題を、日常の淀みや空虚さと闘いながら歌い続けてきた。「でたらめでもなんでもいいから化けの皮を剥がしにいこうぜ」と煽る“ガストロンジャー”や“ファイティングマン”の過激さも、《花を飾ってくれよ いつもの部屋に》(“悲しみの果て”)という温かさもひっくるめたエレカシのすべてがここにある。ロックとは風に吹かれながらも心に火を灯して生きることなのだ、という長い時間かけて掴んだ真理が堂々と鳴り響いてる。だからこそ宮本は問いかけるのだ。「満ち足りているのかい? 間に合ってるかい? 間違っているのかい?」と。旅立ちの心とそれを見守る夕日や月の温かさが、天才的なソングライティングと熱いバンドエネルギー、的確なプロデュースワークによって綴られたドラマティックな傑作。(井上貴子)