プラスティックなシンセポップに、カエラの歌が一気に彩りを加える“A winter fairy is melting a snowman”は、クリスマスが近づくと街が華やぎだす、あのムードが流れ出ているような曲。信じる心の強さが、絵本のようなファンタジー調で描かれている。“orange”は、シンプルなギターサウンド。一人ぼっちのボクがキミとの出会いによって救われる、センチメンタルで温かいサビがすごく良い。2曲とも、やわらかく人懐っこいサウンドで、愛らしい。歌詞は優しい言葉で書かれていて、たくさんの人とつながるであろう、大きな強さがある。
2曲とも、ここ何作か続いている渡邊忍との共作。「ベストが出たあとのアルバムは、一回全部バンドメンバーで録りたい」という話が出たそうだが、この黄金コンビのケミストリーは、どんどん高まっている。私たちの目の前に再び姿を現す日がまた待ち遠しくなる、表現の深化を感じるシングルだ。(小松香里)