アーティスト

    ブレイク目論む飛躍の2nd

    リトル・レッド『ミッドナイト・リメンバー』
    2010年12月15日発売
    ALBUM
    リトル・レッド ミッドナイト・リメンバー
    オーストラリアならでは、というか。なるほどパッション・ピットやフェニックスに通じる洗練されたものを感じさせる。ただそれ以上に漂うのが、彼の地のポップ独特の派手さと楽天性。例えばスリーピー・ジャクソン~エンパイア・オブ・ザ・サンの解放的なサイケデリアや、カット・コピーなどエレクトロ勢にも通じる大味な折衷感覚。このメルボルン発の5人組に感じる魅力は、そのへんの衒いのなさだったりする。本作は2ndで、プロデュースはテンパー・トラップやマイ・ディスコも手掛けたスコット・ホルスクロフト。本国では「ストロークスmeetビーチ・ボーイズ」とも評される彼らだが、軸となるフックの効いたバンド・アンサンブルと美しいコーラス・ワークのハーモニーは確かに大きな特徴のひとつだ。加えて、M4がハイライトを飾る前半のシルキーなダンス・ポップから、サザン・ソウルやゴスペル・ロックもかくやと深い「歌」を聴かせる後半へ――というコントラスト。時にピアノやホーンも交えたサウンドはキャッチーで多彩だが、そのルーツは見た目に反して深いところにあるのかもしれない。北米やUKでも火が点きつつある、注目の有望株だ。(天井潤之介)
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