未来過去今、全てを見詰める強さ

plenty『待ち合わせの途中/終わりない何処かへ/空が笑ってる』
2011年05月25日発売
SINGLE
plenty 待ち合わせの途中/終わりない何処かへ/空が笑ってる
1st epの『人との距離のはかりかた』で、より「届けたい」という意思を感じさせてくれたplentyから、早くも2nd epが届いた。1曲目の“待ち合わせの途中”は、《蒼空は嫌だった》という歌詞も出てくるが、曇天を思わせるような憂いある空気に包み込まれている。しかしサビでは、雲を切り裂くように張り詰めた声で、《誰かがそうどこかで 僕のことを待ってる》と江沼は歌っている。そして最後は《彷徨えど僕は行こう いつかのあの約束の場所まで》と締め括られるのだ。歌詞とサウンドが絶妙にリンクし、混沌から希望へと自ら歩んでいる過程が描かれていて、とてもリアルだ。ポップ=明るいという、一般的なイメージには当て嵌まらないが、ポップ=リアルと解釈するなら、ぴったりと当て嵌まる。この楽曲が完成したのも、彼らの「届けたい」という意思の高まりの表れなのだろう。2曲目の“終わりない何処かへ”でも、ゆったりとした曲調で、しっかりした前進を感じさせてくれるし、3曲目の“空が笑ってる”では、誰もが重ね合わせられる孤独感を、温かな旋律で教えてくれるし、今の彼らは逞しい。(高橋美穂)
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