永ちゃん約1年ぶりのニューアルバムで、自身が2005年にリリースしたアルバム『ONLY ONE』のリメイク作。収録曲については、オリジナル作品から2曲がカットされ終盤の曲順が若干変更されているのみ。つまりサウンド面での変貌ぶりをぜひ比較してみてくれ、ということなのだろう。オリジナル作の方はシンセ・サウンドが前面に出た作風だが、本作はエッジの効いたギター・サウンドが加味され、重厚さを増したトラックが見事なミックスで仕上げられている。何よりまず、曲そのものがめちゃくちゃいい。
　
公式HPで永ちゃんは、馴染みのバーで『ONLY ONE』の曲が聞こえてきて、「何この曲？」とそのかっこよさに驚いたとコメントしている。マスターに「永ちゃんの曲だよ！」とツッコまれたそうだ。その話もすごいが、曲がいいからすぐにリメイクして発表しようという、その瞬発力とフリーダムぶりにこそ圧倒される。ロマンチックな“Sweet Winter”や切ない“面影”も含めて最高のロックンロール・アルバムだ。作詞には加藤ひさしや高橋研らお馴染みの顔ぶれに加え、スカパラ谷中敦も参加。（小池宏和）