サウダージ・デ・ロック96年にエクストリームとしての活動にひと段落つけたあとのヌーノ・ベッテンコートのキャリアは、ほとんど節操がないといってもいいようなものだった。ソロがあり、モーニング・ウィドウズがあり、ポピュレーション1があり、ドラマゴッズがあり、ペリー・ファレルのサテライト・パーティーがあり、その合間にエクストリームを再結成したり、嵐のアルバムでギター弾いたり、地元レッドソックスの松坂大輔のテーマ曲に参加したり。1、2年ごとにバンドは変わるし、でもやっていることはそんなに変わっているわけではないし、もともとそういうところはあったけど、やっぱり不思議な人である。でもそれらはすべて、このアルバムのためにあったのだ。クイーンの“バイシクル・レース”みたいなアカペラのハーモニーから幕を開ける13年ぶりの本作は、あらためてヌーノが本当にやりたかったこと、いちばん好きな音楽が存分に注ぎ込まれている。ファンキーなリズムの上で跳ね回るギター、カントリーやロカビリーみたいな曲もあって、遊び心も満載。もちろんゲイリー・シェローンのボーカルを堪能できるバラードもあります。(小川智宏)