前作アルバムとは肌触りをガラリと変え、打ち込みとシンセを多用した今作。エレクトロニカ色の強いサウンドは、生音と電子音とが複雑な構造で折り重なりながらも、ソングライター・尾崎雄貴(Vo・G)のメロディメイカーとしてのポップネスをより一層引き立てている。外国のおとぎ話のような詞には絶えず別れや喪失が影を落としているのだが、それとは裏腹に、サウンドは心浮き立つような喜びに溢れている。音のひとつひとつから、思いのままに音と戯れ、音を鳴らすことを心から楽しんでいる様がそのままの温度で零れ伝わってくる。しかも彼らはその無邪気さでもって、ギターロック、もっと言えばロックの枠組みさえも何の躊躇いなく突破してしまっているから、末恐ろしい。この若き才能がこれからどんな景色を見せてくれるのか、改めて期待せずにはいられない。(中村萌)
若き才能、飛翔
Galileo Galilei『PORTAL』
2012年01月25日発売
2012年01月25日発売
ALBUM
前作アルバムとは肌触りをガラリと変え、打ち込みとシンセを多用した今作。エレクトロニカ色の強いサウンドは、生音と電子音とが複雑な構造で折り重なりながらも、ソングライター・尾崎雄貴(Vo・G)のメロディメイカーとしてのポップネスをより一層引き立てている。外国のおとぎ話のような詞には絶えず別れや喪失が影を落としているのだが、それとは裏腹に、サウンドは心浮き立つような喜びに溢れている。音のひとつひとつから、思いのままに音と戯れ、音を鳴らすことを心から楽しんでいる様がそのままの温度で零れ伝わってくる。しかも彼らはその無邪気さでもって、ギターロック、もっと言えばロックの枠組みさえも何の躊躇いなく突破してしまっているから、末恐ろしい。この若き才能がこれからどんな景色を見せてくれるのか、改めて期待せずにはいられない。(中村萌)