全ては、この瞬間から始まったと言っていい。2010年3月24日、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行われた本公演は、スウェードの第二期オリジナル・メンバーが2003年の解散以来初めて一堂に会した再結成ライヴであり、当初は一夜限りだったはずのパフォーマンスがあまりにも素晴らしかったために続演&ワールド・ツアーのオファーが後を絶たず、結局彼らは1年以上をかけて世界を回り、遂には日本にもやってきた。そして今、恐らく90%以上の可能性で新作も制作しようとしている。そう、本DVDはまさに「スウェードの2010年代」の幕開けとなったショウの全記録なのだが、そもそもスウェードに2010年代が訪れるなんてこの公演まで誰も(恐らく彼ら自身も)予想していなかったはずで、本DVDにはその予想だにしなかった奇跡の瞬間が収められている。93年の初来日から欠かさず彼らを観続けてきた身として断言させてもらうが、スウェードのこんなに素晴らしいライヴ・パフォーマンスを私は未だかつて観たことが無い。間違いなく彼らは今、この2010年代にライヴ・バンドとして過去最高のコンディションにあり、だからこそスウェードの再結成は空白の7年間を振り返り補填するのではなく、いきなり未来を指し示す内容になってしまっているのだ。セットリスト的には昨年のサマソニをさらに充実させた内容で、“ヒーズ・ゴーン”、“ザ・リビング・デッド”といったレアすぎるナンバーも披露。客層は予想外に若いファンが多く、そして日本人ファンの姿もたくさん見受けられる。これを生で観られたなんて羨ましすぎます!(粉川しの)