詞曲を手がけるギター&ヴォーカル佐藤の透明で冷たい声。シューゲイザー/ポストロック/グランジの影響が色濃い轟音を鳴らし、不自由で窮屈で、「死」と隣り合わせで、でも猛烈に「生」を求めるきのこ帝国。佐藤は自分たちの音楽について、「生きるか死ぬかしか表現していない」と言い切る。“SCHOOL FICTION”の、《重ねて比べて/悩んで悔やんで迷って息殺して/生きる意味を探して探して/生きろ》という叫びを聴いた瞬間、血液が鮮やかに発色する感覚になる。
ライヴでは、小柄で華奢で、無垢な少年のような佇まいの佐藤を中心にしたメンバー4人の「このバンドでこの音楽をやるしかない」という、切実さに心を奪われる。この青く透明な渦を持ったロックが、どう自らを、そして他者を救済していくのか、見ものだ。(小松香里)