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25年12月から26年3月まで9ヶ所を回るツアーのタイトルにもなっている楽曲。イントロとアウトロでの「蟲、蟲、蟲、蟲、誰?」というリフレインがかなりキャッチーで、また軽妙に韻を踏んでいくボーカルも快楽指数が高い。自身のツアーを飾るにうってつけの曲である一方、ただアッパーなだけでは済むはずがないのがTele。この曲の主人公は、鏡の中の「蟲」と自問自答する中、閉塞感も絶望も己が身に除き難く張りついていることを自認していく。サビのポップなメロディの裏で鳴る、蠢く虫の鳴き声のような不穏なギターが、その現状認識の重苦しさを映し出す。しかし最後には、《もう、逃げ出す強さは僕にはない。/蹴破ったドアの先の世界で、/これが僕と受け入れられたらなあ。/その隅でも愛が余ったらなあ!!!!!》と半ば逆ギレするように世界へと飛び出していく様が描かれる。居場所なき世に、自身の立つ地こそが居場所なのだと宣言する態度。眼前のすべてが最低でも、己だけは最高であれという無防備な覚悟。これがロックンロール。(長瀬昇)(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年2月号より)
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