素晴らしき文武両道バンド

The モラトリアムスパゲッチーズ『ひらがなで、もらすぱ。』
2012年07月04日発売
MINI ALBUM
The モラトリアムスパゲッチーズ ひらがなで、もらすぱ。
まず曲のタイトルに反比例して、音には適当さや投げやり感が全くない。アンサンブルもかなり計算されていて、この世代にありがちな「ローファイ一点突破型」バンドとは一線を画している。ギターロックが持つ疾走感を最大限に生かしながら、絶妙な間やギミックを駆使することで、自分たちのセンスを上手くプレゼンしている。昨年行われたアマチュア・アーティスト・コンテスト「RO69 JACK」で優勝し、ROCK IN JAPAN FES.にも出演したThe モラトリアムスパゲッチーズ(通称モラスパ)は、クールでもあり、エモーショナルでもあり、でもそのどちらでもないような、不思議な感性を持ったバンドだ。でも彼らに最も期待できるポイントとは、そういうクレバーな頭脳ではなくて、それをしっかりと形にできる強い身体性だったりする。《要は自分と向き合えよ わからないなら自分で考えろよ》(“くせに”)なんていう、クソ真面目でエモい歌詞にも、なぜか好感が持てるんだよな。要するに絵空事に頼らないでリアルを直視したバンドだということ。最後に、simoryoプロデュースは大正解だと思う。(徳山弘基)
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする