最後の一音まで詰め込まれた「自由」

Fear, and Loathing in Las Vegas『All That We Have Now』
Fear, and Loathing in Las Vegas All That We Have Now
メキメキと頭角を現しているラウド・シーンの雄、Fear, and Loathing in Las Vegas(以下「ラスベガス」)の、現在の勢いを正しく封じ込めたような素晴らしいセカンドアルバムだ。音源に触れることの喜びに誰も彼もが誘われるオープニング“Acceleration”を皮切りに、これまで同様、率直なメッセージの数々がそのまま楽曲タイトルと化したナンバーが、スクリーモもレイヴ感たっぷりのシンセ・サウンドも、突き抜けるようなメロディも併せ持つハイブリッド・サウンドに乗せてぶちまけられている。
 
これだけのアイデアを詰め込んで纏め上げる手腕は生半可ではないが、ラスベガスのミクスチャー性が真新しくスタイリッシュなものかと言うと、そうではないと思う。“Crossover”という歌にも表れているように、可能性はあらゆる方向に伸びている。手当り次第に貪欲に手段を獲得し、その先で独自のスタイルを見つければ良いとする思想が全編を貫いているのだ。物わかりの良さそうな、大人びて小綺麗な歌が好きか? みんなの好きなロックというのは、そんなに不自由なもんじゃないだろう。(小池宏和)
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