バック・トゥ・リアリティ

グリーン・デイ『トレ!』
2012年12月12日発売
ALBUM
グリーン・デイ トレ!
『ウノ!』『ドス!』『トレ!』3部作の完結編にして、最も感動的なアルバムである。緩やかな成長の物語を辿った今回のトリロジーの中で、メンバーが「パーティーの翌朝の自己反省」とこのアルバムを称してきたのは、つまり、これが字義通りの青春を終えた今の彼らそのものだということである。そのビタースウィートでマチュアな感覚は、ビリー・ジョーの弾き語りで始まる1曲目“ブルータル・ラヴ”から濃厚に漂う。そして、徐々にホーンやストリングスまで加わって、重厚かつ鮮やかなイメージが構築されるアレンジの複雑さから、前のアルバム2枚とのアプローチの差が端的に伝わってくる。つまり、パンク・オペラ以降の彼らが、今何を鳴らしたいのかというフレッシュな興奮の始まりである。

そして前半は鉄板のパワー・ポップ曲で助走をつけて(M4“ドラマ・クイーン”はオアシスばりのアコギ・バラードだが)、アルバムは終盤に向けて盛り上がりを重ねていく。そのクライマックスが、6分間のパンク組曲であるM10“ダーティー・ロットン・バスターズ”から、サマソニのライヴでも圧倒的な一体感を生んだM11“ナインティナイン・レヴォリューションズ”、そして大フィナーレの美メロ・バラード“ザ・フォガットゥン”という3曲である。そして、楽曲の複雑さと同時に、アルバム全体にちりばめられたセンチメントが、ここで時代とリンクする希望のメッセージへと集約される流れが素晴らしい。もちろん、本来彼らはワールド・ツアーと並行して、このグランド・フィナーレを迎えるはずだったのが残念である。ビリー、早く戻ってこい! 信じてるぜ。(松村耕太朗)
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