そんなアーティストが10年間、音沙汰がなかった。なぜか? 当然、年歳や健康による影響もあったんだろう。だが、それこそ評価軸がぶれまくっている欧米の音楽メディアのあり方に顕著だが、細分化、蛸壺化が激しく、錯綜するここ10年のロック・シーンをまとめるのは容易ではない。そこに困惑した、いや、恐らくその作業自体がバカバカしく思えたんだろう、ボウイは動かなかった。しかし突然動いた。それが本作なわけだが、アイコニックなジャケのリデザインから、過去をなぞるような、まさしくボウイな曲の数々は、どれもクオリティが高い。それぞれ評価できるし、意味深な歌詞などからそれぞれの背景も憶測できるから、聴いていて実に楽しい。しかし、あえてそこにとどまるのがこの作品。そしてそれは、あらゆる時代の、あらゆるジャンルの音楽を、その根底にあるメッセージやスピリットを気にせず、均一的に消化してしまうネット世代が鳴らしている器用な音と同じように聴こえる。さすが。(内田亮)
ずばり、2013年
デヴィッド・ボウイ『ザ・ネクスト・デイ』
2013年03月13日発売
ALBUM
そんなアーティストが10年間、音沙汰がなかった。なぜか? 当然、年歳や健康による影響もあったんだろう。だが、それこそ評価軸がぶれまくっている欧米の音楽メディアのあり方に顕著だが、細分化、蛸壺化が激しく、錯綜するここ10年のロック・シーンをまとめるのは容易ではない。そこに困惑した、いや、恐らくその作業自体がバカバカしく思えたんだろう、ボウイは動かなかった。しかし突然動いた。それが本作なわけだが、アイコニックなジャケのリデザインから、過去をなぞるような、まさしくボウイな曲の数々は、どれもクオリティが高い。それぞれ評価できるし、意味深な歌詞などからそれぞれの背景も憶測できるから、聴いていて実に楽しい。しかし、あえてそこにとどまるのがこの作品。そしてそれは、あらゆる時代の、あらゆるジャンルの音楽を、その根底にあるメッセージやスピリットを気にせず、均一的に消化してしまうネット世代が鳴らしている器用な音と同じように聴こえる。さすが。(内田亮)