ずばり、2013年

デヴィッド・ボウイ『ザ・ネクスト・デイ』
デヴィッド・ボウイ ザ・ネクスト・デイ
常に批評的なスタンスをもってロック、そして世の中を見つめ、その特異性をずばりと言い当てた作品を作り続けてきたアーティスト、それがデヴィッド・ボウイだ。フォーク時代も、グラム時代も、アメリカ時代も、ベルリン時代も、メインストリーム時代も、オルタナ時代も、そのあとのリアルなアーティスト時代も、客観的に時代と向き合い、そこに蔓延するスピリットを、もっとも的確な形でプレゼンテーションしてきた。だからこそ、どの時代でも均等にリスペクトされてきたのである。
 
そんなアーティストが10年間、音沙汰がなかった。なぜか? 当然、年歳や健康による影響もあったんだろう。だが、それこそ評価軸がぶれまくっている欧米の音楽メディアのあり方に顕著だが、細分化、蛸壺化が激しく、錯綜するここ10年のロック・シーンをまとめるのは容易ではない。そこに困惑した、いや、恐らくその作業自体がバカバカしく思えたんだろう、ボウイは動かなかった。しかし突然動いた。それが本作なわけだが、アイコニックなジャケのリデザインから、過去をなぞるような、まさしくボウイな曲の数々は、どれもクオリティが高い。それぞれ評価できるし、意味深な歌詞などからそれぞれの背景も憶測できるから、聴いていて実に楽しい。しかし、あえてそこにとどまるのがこの作品。そしてそれは、あらゆる時代の、あらゆるジャンルの音楽を、その根底にあるメッセージやスピリットを気にせず、均一的に消化してしまうネット世代が鳴らしている器用な音と同じように聴こえる。さすが。(内田亮)
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