再結成バンドの新作でここまで迷いなく自分達の原点を誇り、かつての自分達を100%肯定する音を鳴らしたことは近年滅多にない気がする。スウェードの再結成から3年、彼らがこの11年ぶりのオリジナル・アルバムで目指したものは黄金期のスウェードの奪還、ただその一点のみだ。2013年の時代性に阿ることも、10年以上の空白を言い訳とする付け焼刃な新機軸も本作にはない。繰り返しブレットも語っているが、本作はずばり「クラシック・スウェード」を完璧に蘇らせたアルバムだ。スウェードのクラシックとは身も蓋もなく言えば初期の3枚、グラマラスなギターに乗るうっとりするようなメロディ、ブレットのファルセット・ヴォーカルとリヴァーブが波打つ過剰にエモーショナルな世界観である。その後の2枚で試されたダンスやフォークへの寄り道は本作では一切排除されている。もちろんその決断は完全に正しい。再結成というビジネスを存続させるために新作を出して延命を図るバンドは数多いる。しかし本作はスウェードというバンドの永遠の命を確信させる一枚なのだ。来世はあったと、10年前の自分に教えてやりたい気分だ。(粉川しの)