伝説的な一流プレイヤーを家族に持ち、自らも凄腕のベーシストであるサンダーキャットだが、アルバムはジャズ/ソウル/ファンク/エレクトロニカ/プログレが柔らかくミクスチュアした、非常にナチュラルでバランス感覚に富んだもの。コズミックな浮遊感を漂わせつつも、要所でピリリと引き締まったインタープレイを聴かせる演奏は、『イン・ア・サイレント・ウェイ』あたりのマイルス・デイヴィスを思わせるし、ヴォーカル曲のピースフルで祈りに満ちたポジティヴィティは、ゴスペル的でもあるし、スピリチュアルですらある。出自からみても、いわゆるロック的なルーティンとはまったく異なる文脈の音楽だが、各楽器の絡み合いやポリリズム感覚のビート・アレンジの面白さ、独特のコード感、うねるようなグルーヴなどに着目すると、思いもかけぬ奥行きの深い世界が待っている。聴きやすさとマニアックな仕掛けが巧みに織り込まれた良作。(小野島大)
音楽は宇宙を目指す
サンダーキャット『アポカリプス』
2013年06月19日発売
2013年06月19日発売
ALBUM
伝説的な一流プレイヤーを家族に持ち、自らも凄腕のベーシストであるサンダーキャットだが、アルバムはジャズ/ソウル/ファンク/エレクトロニカ/プログレが柔らかくミクスチュアした、非常にナチュラルでバランス感覚に富んだもの。コズミックな浮遊感を漂わせつつも、要所でピリリと引き締まったインタープレイを聴かせる演奏は、『イン・ア・サイレント・ウェイ』あたりのマイルス・デイヴィスを思わせるし、ヴォーカル曲のピースフルで祈りに満ちたポジティヴィティは、ゴスペル的でもあるし、スピリチュアルですらある。出自からみても、いわゆるロック的なルーティンとはまったく異なる文脈の音楽だが、各楽器の絡み合いやポリリズム感覚のビート・アレンジの面白さ、独特のコード感、うねるようなグルーヴなどに着目すると、思いもかけぬ奥行きの深い世界が待っている。聴きやすさとマニアックな仕掛けが巧みに織り込まれた良作。(小野島大)