現代を生きるサイケロックの申し子、テーム・インパラ。母国のレイヴに敬意を捧げ、ネガティブな感情を極彩色のダンスミュージックに変える5年ぶりの新作を語る!

現代を生きるサイケロックの申し子、テーム・インパラ。母国のレイヴに敬意を捧げ、ネガティブな感情を極彩色のダンスミュージックに変える5年ぶりの新作を語る!

現在発売中のロッキング・オン12月号では、テーム・インパラのインタビューを掲載しています。
以下、本記事の冒頭部分より。



「僕はただ、手当たり次第にいろいろなものを集めているだけなんだ。ヘンなもの、ジャンクなものほどいい。それは人生に通うじるところがある」


ケヴィン・パーカーは強迫観念に取り憑かれがちで、考えすぎるタイプのアーティストとしてよく知られている。彼自身、こうした性質が表に出るのを抑えようと、懸命に努力してはいるものの、こだわりたい気持ちが水面下でうごめいていることは、はた目にもひしひしと感じられる。

最新作について尋ねてみても、彼の言葉はどこか矛盾していて、つかみどころがない。このとらえどころのなさは、彼自身についても当てはまる。だがこれも、アートに取り憑かれた自分の本当の姿を隠したいという考えから生じているのだろう。まるでまだ固まっていないコンクリートのようで、自分の考えを明確にすることがない——そう指摘すると、電話の向こうの彼はほおを赤らめたようだった。

「このアルバムの制作を始めた時には、いっそすべてテクノにしたいと思ったこともあったような気がする」と彼は言う。「でも、僕の作品はどれもそうだけれど、最初にやってみたいと思っていたことはひとつでも、結局、やるべきことの数は増えていく。すると、頭に浮かんだ要素すべてをどうやってうまくはめ込んでいくか、というのがアルバム作りのプロセスになっていく」

過去5年を振り返ると、ケヴィンは数々の話題のプロジェクトを手がけて音楽界の話題をさらい(ダイアナ・ロス、ゴリラズ、サンダーキャット、デュア・リパとのコラボもあった)、その中で様々なスタイルを取り込んできた。だが、満を持して復活を果たした『デッドビート』は内面に目を向けている——解像度は高いが、同時に型破りで、そのような描写の向こうに孤独な彼の顔が透けて見える作品になっているのだ。

いまではふたりの子どもの父親となったその人生も、前作『ザ・スロー・ラッシュ』をリリースした時と比べると様変わりした。ただし、ここで改めてハッキリさせておくと、最新作のタイトル『デッドビート』は、子どもとの関係や父親になったこととは何の関係もない(※英語のDeadbeatには「養育費を払わない父親」の意味もある)。子どもができたことについて語る彼の口調は、ほかの父親になった者と何の変わりなく、喜びに満ちている。子育てに疲れを覚えてはいるが、いま自分が世話をすることになった小さな命に対して、畏敬の念を抱いている様子だ。
(以下、本誌記事へ続く)



テーム・インパラの記事の続きは、現在発売中の『ロッキング・オン』12月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

現代を生きるサイケロックの申し子、テーム・インパラ。母国のレイヴに敬意を捧げ、ネガティブな感情を極彩色のダンスミュージックに変える5年ぶりの新作を語る!
rockin'on 編集部日記の最新記事
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

フォローする
音楽WEBメディア rockin’on.com
邦楽誌 ROCKIN’ON JAPAN
洋楽誌 rockin’on