ペット・ショップ・ボーイズとは一貫してロック的なスタンスで活動をしてきた反逆者だったのだな、と改めて感動した。ダンス・ミュージックの通俗性からこれほどかけ離れた音楽はない。シニシズムとネガティヴィティに裏打ちされた四つ打ちビートは、永遠に癒されない宿命だの魂だのを暗示していて、ブルジョワジーを一生憎んで生きるブルーカラーの怨恨のようなものも感じる。それが極限まで洗練された進化形となったのが本作だ。彼らは正真正銘の「ロック・ミュージシャン」だと思う。この冷血で冷笑的なビートには、搾取される多数派を踊らせるやりきれなさがある。ペット・ショップ・ボーイズは本作で永遠に老いないミュージシャンになった。ニール・テナントの30年来変わらぬヴォーカルもヴァンパイアの如き。驚異的名盤。 (小田島久恵)
憎しみのエレクトリック・ビート
ペット・ショップ・ボーイズ『エレクトリック』
2013年07月24日発売
2013年07月24日発売
ALBUM
ペット・ショップ・ボーイズとは一貫してロック的なスタンスで活動をしてきた反逆者だったのだな、と改めて感動した。ダンス・ミュージックの通俗性からこれほどかけ離れた音楽はない。シニシズムとネガティヴィティに裏打ちされた四つ打ちビートは、永遠に癒されない宿命だの魂だのを暗示していて、ブルジョワジーを一生憎んで生きるブルーカラーの怨恨のようなものも感じる。それが極限まで洗練された進化形となったのが本作だ。彼らは正真正銘の「ロック・ミュージシャン」だと思う。この冷血で冷笑的なビートには、搾取される多数派を踊らせるやりきれなさがある。ペット・ショップ・ボーイズは本作で永遠に老いないミュージシャンになった。ニール・テナントの30年来変わらぬヴォーカルもヴァンパイアの如き。驚異的名盤。 (小田島久恵)