煌びやかな男気

パニック!アット・ザ・ディスコ『生かしておくには型破り過ぎるが、殺すにはレアすぎる!』
2013年10月09日発売
ALBUM
パニック!アット・ザ・ディスコ 生かしておくには型破り過ぎるが、殺すにはレアすぎる!
バンドの分裂から2人で仕切り直しとなった前作『悪徳と美徳』を経て、パニック!アット・ザ・ディスコがまた化けた。ポップでダンサブルでシアトリカルなデビュー作、一転して60?70年代の懐古的なサウンドを追求した2作目、そして3作目の前作で原点回帰の再スタートを切ったブレンドン(Vo)とスペンサー(Ds)は、ここに来てやっと手にした自由を謳歌しているように聴こえる。最新のヒップホップ(ルールがないところに刺激を受ける、とブレンドン)も80年代のヴァイブも自在に取り入れて、地元ラスベガスのネオンみたいな華やかさと共に彼らの「今」を素直に出しきったサウンドが新鮮であり、ブッチ・ウォーカーのプロデュースでポップに仕上げているのも上手い。しかし現在はスペンサーが依存症の治療のためにツアーから抜けていて、今作の制作にあたっても苦労があったようだが、ブレンドンは唯一のオリジナル・メンバーとしてパニック!アット・ザ・ディスコを前進させる道を選んでいる。そのような状況を思うと今作のアルバム・カヴァーにぐっとくるし、強さを増したヴォーカルにもこれまでにない男気を感じる。(網田有紀子)
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