2月にカラフルでポップな名刺替わりのアルバム『We are東京カランコロン』を発表した彼らから、早くも2ndアルバムが到着！　今作はメンバー「5人で作る」ことに拘った全曲セルフプロデュースの一枚だ。小刻みなドラムのビートに背中を押され、思わず駆け出したくなる“走れ、牧場を”やいちろー（Vo・G）がマイケルジャクソンの如く雄叫びを上げる“ture!ture!ture!”は抜群のポップセンスが光る痛快ナンバー。せんせい（Vo・Key）が切なくメロウなメロディーの中で優しく歌う“指でキスしよう”や“キャラメル”といった名バラードも収録。相変わらずその振り幅の広さに驚かされるが、今作一番の凄みは、アカペラで始まる1曲目“誰かのエンターテイナー”で《なかなかCDが売れない時代でも》と厳しい現実を直視しつつもラストの“J-POPって素敵ね”では《どこかで聴いてる誰かのための魔法がある》と音楽の力を信じ自分たち色の曲をいくつも生み出している点だ。聴けば聴くほど彼らの魅力が滲み出てきて、東京カランコロンって素敵ね、と思わずにはいられなくなる一枚だ。（渡辺尚美）