刹那的であることはそりゃ美しいし、ランボーを思わせる、真理を突いた詞世界も美しいのである。。だが何より、このバンドの肉体が美しい。躍動し、怒り、諦め、打ちひしがれ、そしてリスナーを真正面から睨みつけながらギターをかき鳴らす姿が、この盤には見事に刻まれている。その姿、あるいは音と歌には贅肉がない。リアルな音像から立ち上る4人の弾き姿は死ぬほど美しく、逆に言うと、音にその肉体性が込められた時点で「メッセージ」と、ひいては「良質なロック」が保証されている。もはやライヴアルバムである。
本作を聴いたらライヴを観るべきだ。フロントマン、マヒトの生き物としての鋭さにこそ、下山の美しさは凝縮されている。(小栁大輔)