俄然注目を集める中、発表された2ndアルバム。これは確かに本物である。疾走するように叫ぶ「熱さ」、死生観を散文的に書く「醒めた」目線と文学性。そして、それらをひっくるめた普遍的なロックとしての熱量。そりゃもう絶対聴いたほうがいい。で、そのうえで言いたい。こんなに「美しい」バンドはいない。だから、絶対聴いたほうがいいと思う。
刹那的であることはそりゃ美しいし、ランボーを思わせる、真理を突いた詞世界も美しいのである。。だが何より、このバンドの肉体が美しい。躍動し、怒り、諦め、打ちひしがれ、そしてリスナーを真正面から睨みつけながらギターをかき鳴らす姿が、この盤には見事に刻まれている。その姿、あるいは音と歌には贅肉がない。リアルな音像から立ち上る4人の弾き姿は死ぬほど美しく、逆に言うと、音にその肉体性が込められた時点で「メッセージ」と、ひいては「良質なロック」が保証されている。もはやライヴアルバムである。
本作を聴いたらライヴを観るべきだ。フロントマン、マヒトの生き物としての鋭さにこそ、下山の美しさは凝縮されている。(小栁大輔)
この「美しさ」を目撃せよ
下山『凸-DECO-』
2014年02月05日発売
2014年02月05日発売
ALBUM