25周年からの洗練フルパワー

カイリー・ミノーグ『キス・ミー・ワンス』
2014年03月19日発売
ALBUM
カイリー・ミノーグ キス・ミー・ワンス
いまやグライムスからリアーナ、ハイムまでを抱えるジェイ・Zのロック・ネイションとマネジメント契約を結んだカイリーの12作目。改めていうけど、極めて健康的にセクシーで、それでいて優雅で、かつ自らのサウンドを自然に更新していくカイリーは、メインストリームに厳しいインディ・リスナーや評論家からも高く評価&支持され続けている。このアルバムで特筆すべきは〝?キャンセル〟でのファレル、〝イフ・オンリー〟でのアリエル・レヒトシェイドという布陣。前者はカイリー印のエレポップにR&Bとソウルを吹き込んだ超旬な音に、後者はエクスペリメンタルで浮遊感のあるバラードに仕上がっていてさすがという感じだ。シアとのコラボはその名も〝セクササイズ〟、脱がずとも昨今の「みんなすぐ脱ぐ」トレンドを軽く凌駕するカイリーの知性が窺い知れるかっこいい曲だ。なんとダブステップ色。全体としては、エッジィに振り切れた『X』と、コンセプチュアルな前作『アフロディーテ』のいいとこ取りといった感じだ。一昨年、デビュー25周年にまつわる様々な試みを経たこともあってかスーパー現役な最新作。(羽鳥麻美)
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする