メイド服を纏い世界と戦え! BAND-MAID、最新作『YOLO』を語る
国内ツアーのチケットは、ソールドアウトを連発。10月から11月にかけて世界8ヶ国、9都市を巡るワールドツアーも行ったBAND-MAID。この熱い状況へのさらなる追い風となりそうなのが、最新シングル『YOLO』だ。ハードロックやヘヴィメタルの愛好家も思わず拳を掲げたくなるはずのサウンドとキュート極まりないビジュアル……という素敵なギャップが際立つ仕上がりとなっている。今作とはどのような想いをこめた1枚なのか? そして、メンバーたちが抱いている力強いビジョンについても語ってもらった。
ずっと目指してきたことがこうやって形になったのが嬉しい
――バンドとしての熱いエネルギーがすごく伝わってくるシングルですね。
小鳩ミク(G・Vo) ありがとうございます。1曲目の“YOLO”がタイトル曲なんですけど、今回収録している3曲それぞれに色があると思います。
――“YOLO”っていうタイトルは、どういう意味なんですか?
ミク 「You Only Live Once」という意味のスラングで、「人生一度きり」ということです。「生きる」っていう前向きな想いをこめたのが“YOLO”で、それはこのシングル全体にこめたものでもあります。
――前作(今年の5月にリリースしたミニアルバム『Band New MAID』)は、外部のクリエイターから提供して頂いた曲が中心でしたけど、今回はみなさん自身の作詞作曲による1枚なのもポイントですね。
ミク はい。全部自分たちで作った曲なのは、初めてです。ずっと目指してきたことでもあるので、こうやって形になったのが嬉しいです。
――前作の収録曲のひとつ、“alone”はみなさんの作詞作曲でしたよね。バンドとしての熱量が伝わってくる仕上がりでしたけど、あれがさらに進化して形になったのが今作と言えるのではないでしょうか。
ミク そうだと思います。“alone”も、自分たちらしい要素を詰め込んだんですけど、今回は3曲それぞれで、そういうことができました。
AKANE(Dr) 曲それぞれに合ったプレイのアプローチもしています。例えば、“Unfair game”は、印象に残るようなドラムを詰め込んでいるんですけど、“YOLO”はボーカルをちゃんと聴かせたいということを考えて作っていますから。曲に応じたプレイをできるようになったのも、成長のひとつなのかなと思っています。
BAND-MAIDの楽器陣には心強いものを感じるし、テンションも上がる
――BAND-MAIDは歌を立てつつも、各楽器が華のあるプレイを連発するバンドなんですよね。「これがロックバンドの醍醐味だよな」というのを感じます。例えば、今回、タッピングプレイが随所で光っているじゃないですか。
KANAMI(G) 最近、タッピングにハマっているんです(笑)。“Unfair game”も“YOLO”も弾いていて楽しい曲です。タッピングはもともとあんまりしてこなかったんですけど、やってみたら気持ちよかったんですよ。
AKANE 今回の初回限定盤にはバンドスコアも付きますので、バンドが好きな人に、ぜひコピーして頂きたいですね。
MISA(B) “YOLO”は2回目のAメロが独特で、ベースとドラムがガッチリ合っていないとダメなんですよ。そういう部分も聴いて頂けると嬉しいです。
――BAND-MAIDは、「楽器を弾くのって気持ちいい。合奏するのって楽しい」っていう、ロックバンドとしての喜びがすごく伝わってくるグループでもありますね。
KANAMI メンバーそれぞれ楽器や歌が好きですから。時間があると「とりあえず楽器屋さん行く?」みたいなことになりますし。「明日楽器屋さん行こうよ!」と、メンバーを誘うこともあります。
――女の子同士が誘い合って洋服屋さんに行く場面は何度も見たことがありますけど、「楽器屋さんに行こうよ」は、なかなかレアかも。
ミク 一般的に女の子同士が洋服屋さんに誘い合って行くくらいの確率で楽器屋さんへ行くのが、BAND-MAIDのメンバーです(笑)。
――「小物を買う」と言ってもアクセサリー類じゃなくて、ピックとか弦とか、楽器小物なんですよね?
KANAMI ほんとそうです。小鳩もよく「あっ、このギターのストラップ、かわいい!」って買っていますから(笑)。
ミク 最近もシルバーのストラップを買いました。「ランドセルみたい!」と(笑)。
彩姫(Vo) こういうBAND-MAIDの楽器陣の中で歌うのって、すごく気持ちいいんですよ。心強いものを感じながら歌えていますし、テンションも上がります。“YOLO”を初めてライブで歌った時も、すごく楽しいなと感じました。
BAND-MAIDは発展途上でもある。「まだまだ上手くなれるし、もっといい曲を書ける!」っていう感じがずっとしている
――ライブでのみなさんの姿はとても凛々しいので、観ている我々もテンションが上がります。
ミク お給仕(BAND-MAIDのライブのこと)は、戦いだと思っていますから。毎回、全力で戦っています。
――BAND-MAIDって、かわいい衣装に身を包んでいますけど、本質はファイターということですね。お客さんも、そういう姿から勇気を貰っているんだと思います。
ミク みなさんのお役に立てたら嬉しいです。私たちはメイドなので(笑)。
――(笑)「かわいらしいビジュアルと表現するものの力強さ」というコントラストは、バンドの初期から打ち出そうとしていたことなんですか?
ミク ギャップを大事にしていきたい、という大まかなコンセプトは最初からありました。でも、まさかここまで勢いのあるハードな曲をやるようになるとは思っていなかったですけど。
――ハードロック、ヘヴィメタルの要素が強まっていくきっかけになったのは、“Thrill”でしたっけ?
ミク そうです。あの曲をきっかけに、こういうサウンドの方面をもっと深めていきたいと、メンバーのみんなが思うようになりました。「どういう表現をやりたいか?」というのは、活動を続ける中でどんどん見えてきたことですね。
KANAMI いろんな曲を演奏する中で発見もありますし、「こういうメロディにしたい」というのも見えてくるようになりました。だからBAND-MAIDは、発展途上でもあるのかなとも思います。「まだまだ上手くなれるし、もっといい曲を書ける!」っていう感じが、ずっとしています。
ミク これからもっともっと「かっこいい」と「かわいい」のギャップを広げていきたいですね。
――サウンドがますますハードになっていっても、「かわいい」の要素は疎かにしたくはないんですよね?
ミク はい。やはりメイドさんというところにも重きを置いていたいですから。今回のシングルのジャケットも「メイドさん」というものになっています。「メイドさん」というものありきのBAND-MAIDなんですよ。
ステージに立っている時は、普段の自分より自信がある
――ツインボーカルというスタイルも、BAND-MAIDのサウンドの「かっこいい」の部分を強める要素となっているんじゃないでしょうか。
彩姫 そうだと思います。活動を重ねる中で、ツインボーカルとしてのお互いの歌い方もわかってきましたから。それぞれの歌のスタイルやテイストがあるので、それを上手く活かすことを考えています。表現の幅も、どんどん広がっていますね。
――みなさんみたいなギャップがある表現スタイルって、第一印象で「ちゃんと演奏して歌うバンドなのかな?」って思われることも多いと思うんですよ。音を鳴らした瞬間に、先入観を打ち砕くのも快感?
彩姫 その瞬間は、まさに快感です(笑)。
ミク 楽しみのひとつです(笑)。
彩姫 ステージに立っている時は、普段の自分より自信があるんです。
AKANE 今こうしているよりも、ステージの方が自信がある5人なんですよ。
ミク ステージに立つと、「お給仕します!」っていうスイッチが入ってます。
KANAMI 私もステージに立つと、結構「オラオラ!」な感じになっているのかも(笑)。
――(笑)ステージと普段のギャップという点で言うと、MISAさんがメンバーの中で一番大きいかも。ステージではすごくかっこいいプレイを連発しますけど、普段は寡黙で大人しいじゃないですか。
MISA ステージだと、お酒を飲んでいい気分になっているというのもありますが(笑)。
――ステージドリンクがウイスキーですからね(笑)。
MISA お酒をステージで飲むのは、BAND-MAIDを始める前からの私のスタイルですし、その方がいいベースを弾けるんです(笑)。
ミク ギャップがあると面白いバンドになると思ってBAND-MAIDを始めましたから、もっともっとギャップに繋がる部分は深めていきたいですね。