解体白書 NO.4山崎正太郎(Dr)

──続いて山崎さん。先日のライヴで丸刈りにされて、心機一転という感じですか?

山崎頭刈ったあと、なんかヒップホップとか好きになっちゃって。ハマってますね。

──(笑)一番付き合いが長い、武井さんはどう見ています?

武井なんやかんや言って、4年の間にバンドを客観視できているところは頼りがいがありますよね。逆に俺は客観視するのが難しくて。信じてやるしかないんすけど、「それは違うんじゃない?」みたいに、嫌な口調で言ってくるんで。「あ、客観視はできてるんだ」と思って。

山崎たぶんバンドメンバーの中で一番バンドから遠いんだと思います。

──どうして?

八木練習しないから。

山崎や、それは(笑)。

砂川はははは!

山崎ドラマーだからなんですかね。もちろん曲に対して向き合ったりしますけども。ほかの4人に比べたら、冷静にバンドを、1歩引いて見れていると自分では思ってるんですけど。

──そういう役割を引き受けているんだっていう自覚もある?

山崎ありますね。

──って本人は言ってますけど、八木さん、実際はどうなんですか?

八木何だよ、エラそうに、おまえ(笑)。

──はははは!

山崎喋って面白い人は他にもいっぱいいるんで。俺は音楽的な技術もそんなにないし、喋ってもそんなに面白くないから、常に後ろにいようかなと。目立つところにはいたいんだけど、主役は嫌いなんですよ。ドラゴンボールでいうと、悟空とか強い人がいるじゃないですか。オレはヤムチャとか天津飯みたいな、強いグループの後ろにいる人が好きなんで。だからバンドでドラムをやってるんじゃないかと思うんすけど。

山崎

砂川 でもドラムプレイに関しては変わったなと思うけどね。前は主張するタイプのドラマーだったから、手数も多いし、パワーも強かった。そういうドラムが好きっていう感じだったんですけど、武井さんの作ってくる新しい曲が、手数が少なくてパワーも要らない曲が結構あって。そういう中で、いろいろ葛藤もあったと思うんですね。だからシンプルな叩き方とか、タイトな叩き方を意識するようになったのかなっていうのは、横にいてすごく感じる。

武井ずーっと、俺はドラムのことについては何も言わないで、勝手にやってくれって感じだったので。ただ曲を作り始めてから何年か経って、経験を積んで「何でここでこうなったんだろうな」っていうことを紐解いた時に「あ、ドラムがめちゃ叩いてるからだ」と思って。だから、そこは単純に「こういうのがやりたいんだけど」「ここハイハット要らない」みたいな、ちょっとした会話をするようになって。だから山崎正太郎ブランドをただただ磨いていたところを、ちょっとCzechoというバンドとマッチングするように変化を付けてくれたという感じですかね。

解体白書 NO.5武井優心(Vo/Ba)

──わかりました。じゃあ最後は武井くんですね。自分で自分のことが一番よくわからない人だと思うので、山崎さん、いろいろ教えてください。

山崎最近どんどんコミュ障になってきてますよ。人前に出るのをどんどん嫌がってる。

八木あー確かに。

──昔は違った?

山崎別に昔から人前にめっちゃ出たいタイプではなかったんですけど、たとえば取材があります、撮影がありますと。「マジ嫌だ~」みたいな感じになるんで。普通はどんどん慣れてきて「おー、行こう行こう」ってなるはずなんですけどね。

武井インタヴューとか受け答えするのは別に大事だと思うんですけど、テレビや写真はできれば覆面をかぶりたいです。

──八木さんから見て、最近の武井さんはどうですか?

八木でもバンマス的な感じで、前よりどしっとした感じが出てますよね。曲に対するスタンスも広く、バンドっぽくなってきたんじゃないかなって。

山崎確かに作る曲は進化してるから、曲に対する意識はどんどん上がってると思う。自分がやりたい音楽を表現するにあたって、メンバーへの伝え方がうまくなっているんですよね。またそれを言うことによって武井の頭の中でイメージしている曲に近づくっていう。前なんか何も言わなかったですから。

──要するに、対外的にはコミュ障になっているんだけど、バンドに対してはオープンになってると。

山崎そうそう。そうです。

タカハシうん。

──ライヴを見てると、フロントマンとしての重圧からは解放されて、最近はすごく自由になっていると感じるんですが。

武井そうですね。重圧はないことはないすけど、4人でやってた頃はもう猫の手も借りたいような気持ちだったんで。その点においては全然いいですね。経験を積んだのもあるだろうし。

砂川だから純度が上がってるなっていう気がしてて。作品に対して妥協したくないっていう想いは、前からずっとあったと思うし、より音楽に対する気持ちとか姿勢の純度が上がってるなと。あと、あまり無理をしなくなったなっていう。いい意味で自然体。それは音楽に対する気持ちの純度が高まったからっていうのもあるんだろうなっていう気がします。

──いい話が続いたんで、タカハシさんからは武井くんへの愚痴と文句を。

タカハシなんか最近、どこでも下ネタを言うようになってきて。意外性は大事だと思うんですよ。パッと見は下ネタとか言わなそうだし。でも最近はラジオとかでガンガン言うようになって。言い過ぎはどうなのかなって思っちゃいます。結構エグいから。

武井最低レベルのね。

タカハシで、その影響なのか、メンバーもわりと言うようになっちゃったんですよ。

山崎思いのほか八木さんが言うようになっちゃって(笑)。

八木そうだよ。俺、今が青春だもん。

砂川ははは。

──でも何でこのタイミングで下ネタにギアが入ったの?

武井なんかきれいに見られがちなんですよ。

──なるほどね。武井くんのロックマインドが下ネタに出ちゃってる?

武井出ちゃったんです。でも昔、すごく尊敬してる先輩に「下を制したらバンドで勝ちが見える」って言われたことがあって。

八木誰なんだよ、その先輩(笑)。

武井バンドで下を取り入れることに成功したら未来は明るいって言われたんで。でも当時はCzechoを組みたてだったんで、「でもCzechoに下ネタっていうのは見えないですよね~」みたいなことを言ってたんです。でも最近は「そういうことか!」って気づいて。「音を真面目にやってんだったら下に振った時の振り幅はでかい」みたいな。

──じゃあ戦略的に言ってる部分もあるんだ。

武井その先輩は、ラジオに行ったら「この人たちってバンドやってたんだ」ぐらいに、音楽の話は一切するなと。で、しばらく経って、急に音楽のこと語ると深みがズドーンって来るからって。「あんなにふざけてた武井が?」みたいな。

砂川そこまで考えてないだろ、絶対(笑)。

──でもCzecho No Republicって、風通しが良くて、おしゃれで、ポップだよねっていうステレオタイプなイメージをされがちなんだけど、そこに耐えられない武井くんが自分に下ネタを言わせると。

武井

武井そうです。しかもしょぼい下ネタで笑いが取れるぐらいの活動をしてきたので。

砂川盛大なフリだったと。

武井そう。だから1回下ネタで壊して、もう1回音楽好きに戻った時に深みが増す。そのとき、何日も寝かせたカレーになる。で、あと5年後ぐらいに俺が禿げたらもう最高ですね。

──ははは!

八木勝ち。最強ですね。

砂川いいバンドだ(笑)。

提供:日本コロムビア

企画・制作:RO69編集部

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