解体白書 NO.1八木類(Gt/Cho/Syn)
──で、ここからはメンバー個々の変化や成長について、それぞれ主観的・客観的に話を訊いていこうかなと。まずは八木さんから。彼の最近の成長や変化について、タカハシさんはどう思います?
タカハシ八木さん、明るくなった。そして面白くなりました。解放感を感じます。
八木実家じゃないかな(笑)。家を出たっていう。Czechoに入る前は、名古屋に住んでいて。東京来てCzecho(No Republic)に入ったんですけど。
武井それ、だいぶ前じゃん(笑)。
八木ははは。
砂川オレとタカハシさんが入ってからも変わったよね。
タカハシうん。私が入りたての時はまだ暗かった。あまり変なことをしないし、真面目っていうイメージだったのに、気づいたら変な顔をして、面白くなりましたよね。自分を出している気がします。どっちが正解なのかわからないけど(笑)。
八木たぶん自分を出せるまでに3年ぐらいかかるんですよ。めちゃくちゃ時間がかかる。
タカハシあ、知り合ってから?
八木そうそう。家ではずっとこういう感じなんですけど。ひとりで、鏡の前とかにいるときはすげー明るいんですけど。人がいると時間がかかるんです。
──……大丈夫?
武井引いてる(笑)。
八木完全にコミュ障ですね。ほぼ引きこもりで、歯も磨かずゲームやったり、2ちゃん見てましたから(笑)。
タカハシははは、ヤバい(笑)。
──武井さんから見て、最近の八木さんはどう?
武井でも垢抜けたんじゃないですか(笑)。エラそうなことを言うと。
八木ありがとうございます(笑)。
武井オレはずっと一緒にいるからわからないけど、久しぶりに会うバンドマンからよく言われてます。かっこよくなったねって。
タカハシ確かに言われてる。
八木もう服とかも全部教えてもらって、髪染めるのとかも全部教えてもらって。
砂川ははははは!
八木全部教えてもらったら、すげー良かったです(笑)。
──なるほどね。東京のバンドカルチャーにちゃんと入っていけるようになったんですね。
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八木そうかもしれない。もう最初は飲み会とかでもひとりでこもってましたから。
──それは音楽活動にもいい影響与えている?
八木そうかも。前よりBPMが速くなったような。
──はははははは!
八木メロディにも起伏が出てきたんじゃないかな。
──自分のバイオリズムが変わるってことですからね。
八木そうですね。ヘルツも上がってきたんじゃないかなと思います(笑)。
解体白書 NO.2砂川一黄(Gt)
──続いて砂川さん行きましょうか。
八木砂川さん、入った時から完成されてたんですよね。キャラクターも、ギターも、髪型も(笑)。
砂川ははは!
八木すごく完成されているから。なんか変わったかなあ……。
武井変わってほしいところは……。
砂川何でオレん時だけ悪口になんの?(笑)
──でも失礼なこというと、やっぱり砂川さんはCzechoの異物ですよね。
タカハシははははは!
八木正解です(笑)。
砂川まあ、よく言われます。どこにいても異物感があるって言われるんで。何でなんでしょう。自分は普通を装っているつもりなんですけど。
山崎装ってるから異物なんじゃない?
砂川(笑)極力分け隔てないようにって意識してるつもりなんですけど。ただ、僕自身も(Czechoに入ってから)新しい自分に気づけた部分もあるんで。前はこんなにいじられたことがなかったんですね。前はもう少しクールな感じだったんすけど、武井さんとか八木くんとか、いじるのがうまいんで。「あ、こういう自分もいたんだな」ってことに気付かされるんです。それになぜかオチ役に任命されることが多くて……何の話してるんですかね(笑)。
タカハシでも最初はこんな感じじゃなかったような気もするけど。「はい、やります。僕教えます」みたいななんかいろいろで、みんなが――。
武井そこは別に変わってないじゃん。
砂川うん、変わってないよ。
タカハシでも明るい、盛り上げるみたいなのは――。
砂川ステージでは出してなかったね。もっと普通な感じだったかも。
タカハシあと、みんな最初は「先生」って呼んでいたんですけど、いつのまにか「ブタ」になった(笑)。
山崎ははははは!
タカハシ八木さんがいつのまにかブタって呼んでいて(笑)。
砂川「おい、ブタどけ」とか言われて(笑)。
山崎(笑)確かに「はじめまして」の時は今より外に向けて発信するような感じは出してなかった。でも出しそうな感じはフツフツと出ていて。で、「エンジョイ」っていうキーワードがあったんですけど、それを覚えてからの砂川さんはすごかった。
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砂川僕自身も新しいバンドに入って迷いが結構あったんで。最初はずっとサポートでやってたっていうのもあったんで、なんか自分の立ち位置がよくわかってなかったんで。ただ武井さんが「明るいキャラだしポップな感じなんだから、もっとそれを出していきなよ」って言ってくれたんで。
武井……でしたかねえ?
──覚えてない?(笑)
砂川おまえ、俺の話に全然興味ないだろ!(笑)
──この温度感が砂川さんのキャラを象徴していますね。でも大変いい異物感だと思います。
砂川はい、あざす(笑)。
解体白書 NO.3タカハシマイ(Cho/Syn/Gt/Per)
──じゃあ続いてタカハシさん。まず加入して、このCzecho(No Republic)っていうバンドに慣れました?
タカハシはい。慣れました(笑)。
──さんざん訊かれた質問だと思うんですけど、男だけのバンドにひとり女性が飛び込んでいくことについて、不安はなかった?
タカハシもともとバンド組んでいた時も男の子の中にひとりだったんで。そこは全然楽ですね。何も気にせず、うん、楽です(笑)。
八木まあ、砂川さんと似たような感じで、入ってきたときから既に完成形だったから。
山崎移動中の車内で納豆とか漬物とか食うんですよ。くせーなと思って。
タカハシははは! いいじゃん(笑)。
武井でも溶け込んできたんじゃないかな。傍から見ると、バンドプラスひとりっていう感じがあったっぽいんですけど。まあそりゃそうですけどね、異性で、ある種完成して動いていたバンドに入ると。単純にそれまで観に来ていた人からすると、それこそ異物感があったのかもしれない。ただ、初めからそれが出てなかったから。
──そう。それが不思議なんですよね。いきなり異物感がなく、溶け込んでいた感じが。
武井はい。
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タカハシ私よりもともとバンドにいた人たちのほうが不安だったんじゃないかなと思って。でも加入するってなったときから、それなりの覚悟はお互いにできていたんで。もうやるっきゃないよねって。でも初めてライヴをやった時からお客さんが予想以上に温かくて。だからそれに救われましたね。「うわ! 女が出てきたぞ」っていう目線って、やっぱり緊張しちゃうじゃないですか。それが少なかったから。
──同じことが作品にも言えますよね。今回のアルバムでタカハシさんがヴォーカルをとった曲も、すごくナチュラルに聞こえていて。
タカハシやっぱりひとりで歌うのと、バンドで歌うことって違うから。自分はバンドにどう溶け込むかっていうことを優先しているし、歌い方もそうなんですね。そこはメンバーとも相談しながら。別に自分はシンガーじゃなくて、バンドのメンバーですからね。