FOO FIGHTERS 前代未聞の巨大プロジェクト『ソニック・ハイウェイズ』発売記念!

「世界で一番リスペクトしているアーティストはデイヴ・グロール」と公言しているMAN WITH A MISSIONのジャン・ケン・ジョニーがフー・ファイターズの魅力を熱弁!

「世界で一番リスペクトしているアーティストはデイヴ・グロール」と公言しているMAN WITH A MISSIONのジャン・ケン・ジョニーがフー・ファイターズの魅力を熱弁!

 ようやく発売されたフー・ファイターズの『ソニック・ハイウェイズ』! 1年以上をかけて、シカゴ、ワシントンDC、ナッシュヴィル、オースティン、ロサンゼルス、ニューオーリンズ、シアトル、ニューヨークの全米8都市でそれぞれレコーディングされた8曲が収録されているこのアルバム。音楽作品としてだけではなく、各都市の音楽史にまつわる1時間ドキュメンタリー8本も制作されているという、まさに前代未聞の巨大プロジェクトである。

 今回、そんな作品、そしてフー・ファイターズそのものの魅力を解いてもらうために「世界で一番リスペクトしているアーティストはデイヴ・グロール」と公言しているMAN WITH A MISSIONのジャン・ケン・ジョニーに直撃。なんとデイヴ・グロール自身が、Skypeを通じてロサンゼルスの自宅よりサプライズ参加した、ドキュメンタリー『ソニック・ハイウェイズ』の第1話のプレミア上映会の直後にフーファイ愛を熱く語ってくれた!

インタヴュー=内田亮 ※本テキストは編集部にて日本語翻訳しております。

フー・ファイターズは僕にとってヒーローのようなバンド

──まず、今回のフー・ファイターズの『ソニック・ハイウェイズ』って個人的には、最高傑作なんじゃないか、と言えてしまうぐらい濃厚な作品で。

「そうですね」

──しかも、コンパクトで45分弱しかないから、フー・ファイターズのアルバムとしてはすごくすっきり聴けるんですが、そこにはすごく色んなことが凝縮されているから、とにかくそのリスニング体験が濃いという。

「濃いですね。僕も最初は8曲しかないアルバム?って思ったんですけど、聴き進めていくうちに、すごく濃いなっていうのがありましたね。もともとは1枚目のオルタナ感が全開なアルバムから入りまして、それが大好きだったんですけど、2枚目が、よりいい意味でものすごくポップだけど毒もきっちり入っているという、デイヴの卓越したメロディセンスとポップセンスの音楽的なバランスがものすごいアルバムになっていて。やっぱりすごい人だなとそのとき思いましたね。だから初期2枚から入って、それから全作品をずっと聴いてきているんですが、確かに今作は他のどのアルバムと比べても、かなり異質なアルバムと思いました。ギター・リフをひとつとってもすごく円熟味を感じるというか。素直にそう思いました」

──なるほど。しかも、この作品って全米8つの都市に行って、そこで1曲ずつをレコーディングしながら、デイヴはその都市の音楽関係者をインタヴューして、それを参考に録音直前に歌詞を書いていったわけですが、同じミュージシャンとして、この前代未聞のレコーディング・プロセスを聞いていかがでしょうか?

「本人たちが一番大変なんじゃないかなとも思いつつ、だけど、なんとなくその感覚って、すごくわかるなっていうのもあって。ただ単に時間をかければなにかを生み出せるのか?っていう。結局、一番大事なものって密度だと思うんですよね。だから最後、インタヴューとかをすべて終えて、本当に短時間かもしれないですが、そこで集約してね、言葉を綴るというのは、作品を作る上ではめちゃくちゃ時間をかけたときとそれほど差が出るはずがないんですよ。そのときの密度さえ濃ければ、素晴らしい工程だと思います」

──そうなんですよね、その密度の濃さはドキュメンタリーを観ればわかりますよね。1話目では、シカゴの音楽的なヒストリーとデイヴ自身のあの街との繋がりがめちゃくちゃ濃く描かれていて、想像を超える素晴らしい内容でした。本当に感銘を受けたんですけど、ジャン・ケンさんは、いかがでしたか?

「単純に嬉しかったですね。こういった思いで音楽を作られてる人なんだっていうのが伝わってきたから。なにも知らない少年が、いとこのお姉ちゃんの地元のライヴハウスに彼女の仲が良いバンドを観るために連れて行かれて、そこで目の前でダイヴしている人とかを見て人生が180度変わったって話なんて、我々のバンド仲間もみんな同じような体験してますね。しかも、そういう思いが消えないまま、新しい経験もしながら、今日までやってこれた彼だからこそ作れたドキュメンタリーじゃないかと思いました」

Foo Fighters × Man With A Mission

──アメリカにおけるフー・ファイターズって今、恐らく5本指に入る巨大なロック・バンドじゃないですか。

「モンスター・バンドですね」

──で、デイヴ・グロールってロック界のスーパースターなわけですが、すごくフレンドリーで、そういう彼の人柄もすごく出ている映像作品だと思いました。

「思いました、思いました。なぜかと言うと、僕自身もブルースとかに詳しいわけじゃないですけど、バディ・ガイのインタヴューを録れる人ってなかなかいないと思うんですよね(笑)、ブルース界の伝説的なギタリストなわけで。番組の中ですごいアウォードを受賞してましたよね(ケネディ・センター名誉賞)、確か、オバマ大統領も参列してしまうような賞で。そういう人にいきなりインタヴューしたいんですけどって聞いたら、うん、やってあげるよって言われることはホントに彼らの人柄のためですよね」

──ですよね。

「今日も(プレミア上映会の)お客様が、ドラマーとしてテイラーのどういうところを気に入っているんですかって聞いてましたけど、真っ先に人間として大好きだと言っていましたよね。ミュージシャンとしての話をする前に、そういうのがすっと出てくるのは、ホントに素直にそういう人なんだなって思いました」

──ホントにそうだと思います。先程も(プレミア上映会で)語られていましたけど、改めてジャン・ケンさんにとってのフー・ファイターズの魅力を語っていただけないでしょうか?

「まず、音楽そのものにオーヴァーグラウンドとかアンダーグラウンドとか線引きすること自体がすごく愚かなことというか、意味のないことだとずっと思っているんですが、そうと言いつつ、フー・ファイターズの曲には世界中の人たちに受け入れられるオーヴァーグラウンド・エッセンスがどの曲にも入っていて、すごくポップでキャッチーなんですよね。だけど、それこそが本人たちが発している毒でもあると思うんですよ。それがすごく鮮明に見えるんですよ、どの作品にも。だから、これは毒だぞって見せられてるのにそれがぜんぜんマズくないっていうか。そのえぐみが気持ちいいというか、むしろそのえぐみこそが曲をポップにしているエッセンスだったりするわけで、こんなことをこれだけバランスよくやってるバンドって稀だと思うんですよね。そういう意味での音楽的完成度が素晴らしいバンドですし、なによりも20年間、突っ走れてる所が、モンスター・バンドたる所以だと思ってます。それはなかなかできることではないし、やってる人もそうはいないですよね。それでいて王道感も感じさせるという。だから彼らは僕にとってヒーローのようなバンドですし、魅力溢れるバンドなんですよね」

Foo Fighters × Man With A Mission

ロック・スターって言うとみんなすぐ虚像とか偶像を追いかけがちだけど、デイヴ・グロールはそれとは掛け離れた人だと思うんです

──そのバランスって今回のドキュメンタリーにもすごく出ていますよね。まだ全部観れていないんですが、トレイラーには、それこそ世界のポップ・ミュージックの頂点にいるファレル・ウィリアムスが出てくれば、たとえばスティーヴ・アルビニやイアン・マッケイ(マイナー・スレット/フガジ)などアングラな人たちも出てきているわけで、その両方から嫌われないのがデイヴ・グロールなんですよね。

「絶対に嫌われないですよね」

──そこがホントにすごいと思います。

「しかも、そのバランスが音楽にも鮮明に聴こえてきますし。一番重要なのは彼らが出す作品なんですけど、どの作品にもきっちりそういうのが投影されていて、それがちゃんと伝わっているんだと思います。だってアルビニなんて気に入った音源じゃないと絶対にやらないわけですし」

──ですよね。ちなみに、今回はアルバムと同時にドキュメンタリーを監督しているわけですが、1時間番組を8本作るっていうのは、ありえない仕事量だと思うんですよね。だから今回の『ソニック・ハイウェイズ』って彼のワーカホリックぶりもすごく出ている作品だと思うんですけど、そこらへんはいかがでしょうか?

「休んだ方がいいんじゃないかなって(笑)、思うところもありますけど、ただ、今回のドキュメンタリーを観てると、すごく楽しそうだなって思って。彼らが大好きなチープ・トリックのリック・ニールセンをレコーディングに迎え入れた時の反応なんか、どこまでもバンド・キッズだし。『やっぱ、すげーなリックは!』みたいな感じで(笑)。そういうワクワク感を忘れてないというのも彼らの原動力のひとつになってると思うし、それを忘れない精神性をメンバー全員がお持ちになってると思うんで、それこそ、前に(映画『サウンド・シティ - リアル・トゥ・リール』で)ポール・マッカートニーとやったりするわけですが、多分、ぜんぜん仕事としてやってないと思うんですよね。『やべぇ、ビートルズのポールと共演しちゃってるんだけど』みたいな感じで」

Foo Fighters × Man With A Mission

──ホントにそうですよね(笑)。

「ロック・スターって言うとみんなすぐ虚像とか偶像を追いかけがちだし、それも大切な要素だったりするとは思うんですけど、それとは掛け離れた人だと思うんですよね。紳士ですし、どこまでも人を楽しませることを考えていて。あと自分達の作品にすごくシビアな方で。だからロック・スターってこうならなければいけないって雰囲気を1ミリも出さない人だと思ってるんですよね。やっぱあれだけビッグになると、どんな方でもそういうのって出ちゃうと思うんですけど、これほど1ミリも出してないのは、ホントにすげーなって、いつも思いますね」

──本当にそうですよね。今回、ジャン・ケンさんにこういうようにRO69でフー・ファイターズについて話して頂いてるわけですが、これってすごく大事なことだと思うんですよ。まさに今回、デイヴ・グロールはこういう場所からこういう音楽が生まれて、それぞれにはこんなに濃厚なヒストリーがあるんだよって、世界中のロック・キッズに教えようとしているじゃないですか。で、ジャン・ケンさんがこうやって自分のルーツにあるフー・ファイターズであり、デイヴ・グロールについてこれだけ語っていただいているのは、それに近い気がしているんですね、僕は。

「なるほど」

──だからこの特集を通して、フーファイのことをあまり知らなかった若いマンウィズのファンがひとりでも彼らの魅力を知ってもらえたら嬉しい限りです。

「まあ、そんな大それた規模でやっているとは思いませんけど。でもロックを好きなひとりのミュージシャンとしてはね、むしろそれが一番大事なんじゃないかなって思います。使命感っていうとやっぱり大それたものになってしまいますが、私自身が憧れていたバンドやアーティストが、どういう音楽を聴いて育ったんだろうとか、彼らと仲いいバンドは誰なんだろうとか、彼らが好きなバンドってどういうのなんだろうっていうのを知ることによって自分の世界を広げていったわけなので。そういうのこそが、自分が買うCDを選ぶ基準になっていったんですよね。だから個人レベルではそうあるべきだと思っているんですけど、音楽そのものもそうあるべきだと、思うときがあります。すごく嫌な言い方をすると、ひとつのバンドが巨大になってもあまり意味がないとうか。音楽シーン、そのジャンルそのものがでかくならないことにはなにも変わらないと思うんで」

──なるほど。

「ロックであったり、ポップスであったり、ジャズであったり、なんでもいいんですけど、そういった意味では、今回デイヴ・グロールがやっていることにはものすごく共感できますし、根源的にやるべきことだと思っています。本当にフー・ファイターズは尊敬してますね」

──実はデイヴ・グロールにインタヴューしたとき(ロッキング・オン11月号掲載)、各国のバンドがそれぞれ自分たちの『ソニック・ハイウェイズ』を作った方がいいと言ってたんですよね。なのでジャン・ケンさん、是非とも日本版の『ソニック・ハイウェイズ』を作ってください!

「どこから始めようかな(笑)」

──今日はホントにありがとうございました!

FOO FIGHTERS

デイヴ・グロール(Vo/G)を中心とするロック・バンド。もともとはニルヴァーナにドラマーとして在籍していたデイヴが書き上げた曲を独自でレコーディングした曲群をフー・ファイターズ名義で1995年にリリースしたことがスタートだが、その後、同じくニルヴァーナのメンバーであったパット・スメア(G)をはじめ、ネイト・メンデル(B)らを勧誘し、れっきとしたバンドとして活動。これまで7枚のアルバムをリリースし、その総セールスは2000万枚を超え、グラミー賞11冠に輝いている。97年に1度はバンドを離れたパットが06年に復帰し、それ以降はデイヴ、ネイト、テイラー・ホーキンス(Dr)、クリス・シフレット(G)、パットというメンバーで活動。2013年にデイヴ・グロールは映画監督にも初挑戦。ドキュメンタリー映画『サウンド・シティ - リアル・トゥ・リール』を発表。最新作は、アメリカ主要8都市にてレコーディングされた、結成20周年記念作となる3年半ぶりの8枚目『ソニック・ハイウェイズ』。各都市におけるレコーディング風景、およびその都市にまつわる音楽史を説いたドキュメンタリー番組『ソニック・ハイウェイズ』(各1時間)も同時に放送された。

ソニック・ハイウェイズ

『Sonic Highways』ソニック・ハイウェイズ

  • 発売中
  • SICP-4327 ¥2,400+税
  • 1. Something From Nothing / サムシング・フロム・ナッシング
  • 2. The Feast and The Famine / ザ・フィースト・アンド・ザ・ファミン
  • 3. Congregation / コングリゲイション
  • 4. What Did I Do? / God As My Witness / ホワット・ディド・アイ・ドゥ? / ゴッド・アズ・マイ・ウィットネス
  • 5. Outside / アウトサイド
  • 6. In The Clear / イン・ザ・クリアー
  • 7. Subterranean / サブテレニアン
  • 8. I Am A River / アイ・アム・ア・リヴァー

フー・ファイターズ・ドキュメンタリー『ソニック・ハイウェイズ』(全8回)

フー・ファイターズ・ドキュメンタリー『ソニック・ハイウェイズ』

11月23日(日・祝)、30日(日)午後4:00~ほか(全8回)[WOWOWライブ]

  • 11月23日(日・祝)午後4:00 #1 シカゴ「Something From Nothing」
  • 11月23日(日・祝)午後5:05 #2
  • 11月30日(日)  午後4:00 #3
  • 11月30日(日)  午後5:05 #4 ほか

初回放送11月23日は、「フー・ファイターズDAY~ソニック・ハイウェイズ放送記念~」!
一挙6作品10時間以上にわたってフー・ファイターズ関連番組をオンエア。

http://www.wowow.co.jp/foofighters

MAN WITH A MISSION

頭はオオカミ、身体は人間という究極の生命体5匹からなるロック・バンド。4年前に突如音楽シーンに登場し、日本武道館、横浜アリーナワンマン公演、各所夏フェス、カウントダウンライブを含む数々のライブでも大盛況。2014年3月には初のコンセプトアルバム『Tales of Purefly』をリリース。そのアルバムを引っ提げてのツアーでは、バンド史上最大の幕張メッセ公演を含む27公演を実施し、チケットは即完売。活動はワールドワイドに渡り、10月にはカリフォルニアで開催されたKNOTFESTに出演。全米デビューも決定している!

http://www.mwamjapan.info/

『狼大全集Ⅲ』

『狼大全集Ⅲ』

  • 発売中
  • [初回生産限定盤] 2DVD SRBL1633-34 ¥4,380+tax
  • [通常盤] 1DVD SRBL1635 ¥3,780+tax
  • [Blu-ray] SRXL58 ¥4,780+tax

「Tales of Purefly Tour 2014」
05.31@幕張メッセ国際展示場1~3ホール

  • 01. tales of purefly
  • 02. evils fall
  • 03. distance
  • 04. Wake Myself Again
  • 05. database
  • 06. Take What U Want
  • 07. vitamin 64
  • 08. higher
  • 09. DON'T LOSE YOURSELF
  • 10. Emotions
  • 11. whatever you had said was everything
  • 12. When My Devil Rises
  • 13. NEVER FXXKIN' MIND THE RULES (ENG.ver)
  • 14. Searching life
  • 15. Smells Like Teen Spirit
  • 16. your way
  • 17. Get Off of My Way
  • 18. babylon
  • 19. Dancing On The Moon
  • 20. DANCE EVERYBODY
  • 21. FLY AGAIN

提供:ソニー・ミュージックレーベルズ

企画・制作:RO69編集部

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