ニューエイジ・ポップ・ユニット「Maison book girl」、アルバム『image』を語り尽くす!(2)
絶望から希望への流れを作るのが大変だった。嘘っぽくならないようにしたかった(コショージ)
――ブクガって、なんとも言葉で説明し難い抽象的な部分があるのが面白いんですよね。「どんなグループなの?」という質問にも答えにくいんじゃないですか?
井上 そうなんですよ。ブクガの活動を始める前に「どんなグループに入るの?」と訊かれた時も、答えが難しかったです。
――そういえば、前作までの資料ではブクガについて「4人組アイドル・グループ」と書かれていたんですけど、今回から「4人組ニューエイジ・ポップ・ユニット」になりましたね。
和田 はい。「アイドル」と言わないほうが、枠にとらわれないで活動できるんじゃないかということになったんです。
矢川 「4人組ニューエイジ・ポップ・ユニット」って、気に入っています。新しい世界を作りつつ、ちゃんとポップさもあるって、すごくブクガに当てはまると思うので。カタカナがいっぱいなのも、かっこいいですよね(笑)。
――今回のアルバムに関しては、約10分間のインスト“int”を経ての“townscape”“karma”の流れがドラマチックで、とても興奮しました。
コショージ ありがとうございます。“townscape”は、レコーディングで苦戦しました。デモのサクライさんの歌の通りにレコーディングで歌ったら、「そこ、俺、歌うの失敗したから、その通りに歌わなくて大丈夫。普通に歌って」と。サクライさんのこだわりがあるんだと思っていたんですけど(笑)。作った人も簡単には歌えないくらいの曲みたいです。
和田 でも、1回理解したら、二度と耳から離れなくなる系の曲なんですよ。
井上 私もたくさん練習したら耳から離れなくなりました。
矢川 この曲はレコーディングの前に、息継ぎのところとかをいっぱいメモしました。
和田 メンバーそれぞれが順番にズレて踊るところがあるので、ライブで誰かが間違えると大変なことになります。連帯責任色が強い曲でもあります(笑)。
――“karma”もなかなかぶっ飛んだ曲ですが、すでにライブの定番になっていますね。これ、どんどんかっこよくなっていると思います。
コショージ いっぱいライブでやったからかもしれないです。“karma”はライブでやると記憶が飛ぶというか、無意識でやっちゃうことがよくあって。気づいたらめっちゃキレている時があるんですよ(笑)。別に何かに対して怒っているわけじゃないんですけど。
井上 その感じ、私もわかる。
コショージ あるよね? そういう不思議さがある曲なんです。野生の私が暴れだします(笑)。
――“karma”の後に始まる“screen”の瑞々しさも心地よいです。この曲、ブクガの中で一番王道のアイドルソングだと思いました。
井上 これ、実は難しい曲なんですよ。“townscape”が一番難しいと思っていたんですけど、実は“screen”が隠れボスだった感じです。
コショージ 裏番です(笑)。そんなところも楽しんで頂けたら嬉しいです。
――そして、ポエトリーリーディングの“opening”も引き込まれました。コショージさんが書いた詩のポエトリーリーディングは、これまでもやってきましたけど、今までで一番具体的な設定が見えるストーリーですね。
コショージ サクライさんから「希望の物語を作ってください」と言われたんです。音源にはしていないポエトリーリーディングの中に、猫が出てくるお話が何個かあるんですけど、その猫を登場させて作ったのが、この詩です。
和田 “opening”、いい話ですよね。
矢川 私もこの詩に出てくる猫みたいに、誰かの希望になりたいと思いました。
コショージ 希望を描くのって難しかったです。絶望から希望への流れを作るのが大変でしたし、嘘っぽくなっちゃわないようにしたかったんですよ。
井上 ポエトリーリーディングは、ライブでやる曲が少なかったから始めたものですし、最初の頃はただ読むだけだったんですけど、だんだん魅力がわかってきました。私たちの読み方も上手くなっていると思います。
――ブクガの魅力は、どんどん幅広くなっていますね。注目する人も着々と増えていますけど、「私たち、来てるかも」みたいな感覚はあります?
井上 ないです(笑)。
――そうなんですか?(笑)。
コショージ 昨日もミキティー(正式な名前は“ミキティー本物”。二丁ハロのリーダー兼プロデュース担当。ブクガの振り付けをしている)に「もっと自信を持って!」と言われました。
矢川 言われたねえ(笑)。
和田 私たちは一生、この感じなのかもしれないです。
井上 ミキティーは「私がいろいろ見た結果、データが出たのよ」って言っていましたけど。何のデータなのかよくわからなかったです(笑)。
矢川 ブクガはすぐに自信をなくすので、「定期的に『自信を持って!』って言ってね」とお願いして、昨日は帰りました(笑)。
――(笑)。ワンマンツアーは、自信をつける機会になるんじゃないでしょうか。みなさんの故郷も回りますし(矢川は大阪、井上は福岡、和田は北海道、コショージは新潟出身)。
コショージ 新潟は初日ですし、気合が入ります。
矢川 赤坂BLITZもありますし、自信を持たなきゃ。
井上 会場をお客さんで埋めたいです。私の地元の福岡はアイドル・グループがたくさんいるので、アイドルの音楽以外が好きなお客さんにも来て頂きたいです。私たちはニューエイジ・ポップ・ユニット、新しいんですから(笑)。
和田 札幌の会場も大きいんです。そこも満杯にできたら自信が持てそうです。ツアー初日からファイナルの赤坂BLITZに向けて気持ちを高めていきたいです。
提供:徳間ジャパン
企画・制作:RO69編集部