THE FOREVER YOUNG、通称エバヤン。福岡県久留米市在住の4人組だ。昨年11月、HAWAIIAN6やHOLSTEINなどを輩出してきたSTEP UP RECORDSより、1stフルアルバム『THE FOREVER YOUNG』をリリースし、剥き出しの感情が詰まった言葉と音に震える人が続出。期待がどんどん高まるなか、11月11日に1stシングル『素晴らしき世界』がリリースされた。
エバヤンが歌っているのは、終わりなき青春だ。それは夢想のようでいて、とても説得力がある。闇を赤裸々に見せながらも、最後は必ず光に連れていくから。若者には未来を、大人には希望を見せるエバヤン。注目して絶対に間違いない。
(前作からの1年は)いい意味で修行のような1年でした。こんなに自分と向き合うことってなかったなあと思って(ヒラヤマ)
──いきなりですけど、THE FOREVER YOUNGって、すごいバンド名ですよね。荷が重かったりしませんか?
全員 ああ~。
──活動や曲のテーマにしているバンドはいるかもしれないですけど、なかなかバンド名にはしないじゃないですか。元々のバンド名から、現在のSTEP UP RECORDSに入る時に改名したんですよね。
クニタケ ヒロキ(Vo・B) 荷が重いとかはないですよ。改名は、STEP UP RECORDSに入る決意表明でもありましたし、一生音楽を続けていくというという決意表明でもありました。あと、これは後付けですけど、もうすぐ改名して2年になりますけど、どんどん年は取っていくなかで、若い頃の初期衝動はなくならないというか、むしろ増えるばっかりなんで、自分たちにはピッタリなんじゃないかなって改めて思っています。
──前身バンドも含めて、結成してどれくらい経つんですか?
クニタケ この4人になって8年ですね。
──それで初期衝動がなくならないって素晴らしいです。でも、若さ真っただ中にいる10代や20代前半では、THE FOREVER YOUNGとは名乗れないかもしれないですね。
ヒラヤマ リョウタ(G) ああ、確かに。 クニタケ 重みが違うでしょうね。 ──1stフルアルバムからちょうど1年くらい経つじゃないですか。どんな1年でしたか? クニタケ いや、ほんとあっという間でしたね。見たことがない景色を見たり、やったことないことにチャレンジして、それについていけない自分たちや、ついていこうとする自分たちがいて……バタバタでした。それが今は生かされているというか。まとめると……いい1年でしたね(笑)。 ヒラヤマ いい意味で修行みたいな1年でしたね。 ──リリース前とリリース後で、最も変わったと思うのは、どういうところですか? ヒラヤマ こんなに自分と向き合うことってなかったなあと思っていて。ライヴひとつとっても、朝起きてライヴが終わるまでの1日中、アンテナを立てていられるような人間になれてきたのかなあ、とは思います。最初は、大変だ!とは思っていましたね。 ──環境が変わったからこそ、自分に向き合わなきゃいけないと思ったんですか? ヒラヤマ 歌詞が日本語になったことが大きいです。演奏力ももちろん大事ですけど、お客さんに伝えるために、嘘ついてそういう曲を鳴らせないですから。できるだけ説得力があるライヴをしたいと思ったら、自分に向き合うようになりましたね。 ──ヴォーカルのクニタケさん以外も、メンバー全員が歌詞に対する意識が高いんですね。 ヒラヤマ そうですね。 ──歌詞はメンバーに早めに見せるんですか? クニタケ いや、僕は結構後に書くほうなんで。レコーディングの当日に組み立て直したりすることもあります。だいたいこういうことを言いたいなっていう題材は常日頃考えているんですけど、それを具体化するのに時間がかかるんですよね。なるべく面白い言葉で書きたいなっていう思いもあって。レコーティングして、ライヴ中に歌ってくれていたりして、メンバーみんなが同じ方向を向いてくれているとは思います。 ヒラタ タクヤ(G) 早く知りたいっていうのはあるけどね(笑)。 ヒラヤマ でも、昔よりは早くなったかな。レコーティングの日に歌詞を知ったりすることもありますけど、練習から知っていたほうが曲に入りやすいんで。 ヒラタ 僕らのバンドは彼の歌詞の力が武器ですから。 ヒラヤマ 後押しできる曲を作りたいんで。
共感してほしいというよりは、「俺も同じ気持ちだよ」と言いたいんですよ。「ひとりじゃないよ」って(クニタケ)
──以前から、歌詞を重視するバンドだったんですか?
ヒラタ RYOSUKEさん(STEP UP RECORDS/FUCK YOU HEROES、HARDCORE FANCLUB、ABSOLUTIONのメンバーでもある)との出会いが大きかったかな。
ヒラヤマ 伝えたいことはあったんだよね。
クニタケ でも漠然としていたんですよね。それを具体化することが大事だって教えてくれたのがRYOSUKEさんだったんです。“YOUR WRIST SCAR~キミのいつかの絶望を~”っていう曲を聴いたRYOSUKEさんが、日本語詞がいいと思うって言ってくれて、それからできたのが“WORLD END”で。その時は、元カノに対する思いが、整理ついてなくて一番大きかったんですよね。いざ書いてみたら、自分が一番入れる曲だったし、一番言いたいことってこれだったんだなって答えになってくれて。RYOSUKEさんはきっかけでしたけど、いざ作ってみたら、いい感じに気持ちが乗せられたんで、日本語詞に転換していこうって思えましたね。
──恋愛がもとになって歌詞ができることって、よくあるんですか?
クニタケ ありますね。僕、メンヘラなんで(笑)。
──自分で言いますか(笑)。
クニタケ 太ってるんですけど(笑)。共感してほしいというよりは、俺たちのCDを聴いてくれたり、ライヴに来てくれる人には、「俺も同じ気持ちだよ」って言いたいんですよね。「ひとりじゃないよ」って。等身大でいたいというか。
──そういう思いは、聴いてくれる人が増えて、シンガロングしてくれる人が増えて、より強くなったんじゃないんですか?
クニタケ そうですね。不思議な感じなんですけどね、ライヴ中に泣いている人がいると。泣きながらコブシを上げてくれたら、俺もひとりじゃないなって思えて、ありがとうって泣いちゃうんです。聴く人が増えて、ライヴが特別な環境になっていってるなあって。
──“素晴らしき世界”は、1stシングルですし、歌詞や曲からも、代表曲を作る!という気合いが伝わってきたんですけど。
クニタケ ほんとに、そういうテーマですね。
──曲作りの時から、そうなる予感はあったんですか?
ヒラヤマ 曲作り、僕らもスムーズにいくほうではないんですけど、この曲は上手くいきそうだなって予感はあって、歌詞を聴いた時に、絶対よくなるなって確信しました。それでサビをみんなで歌って、間違いないのができたなって思っています。
──シンガロングあり、熱さも泣けるところもありな曲で、エバヤンいいところ全部のせ、こってり風味っていうか。
ヒラタ 大好きですね(笑)。
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