ドミコ×ホリエアツシ、スペシャル対談! 出会いから意外な共通点まで大いに語る

ドミコ×ホリエアツシ、スペシャル対談! 出会いから意外な共通点まで大いに語る


今のバンドだとしたらすごい面白いなと思った(ホリエ)



──ホリエさんがドミコの存在を知ったのは、どんなきっかけだったんですか?

ホリエ 前のアルバム(『soo coo?』)の曲がラジオで流れてて──“まどろまない”っていう曲だったんですけど、そこで初めて聴きました。誰の曲なのかわからないからすごい気になったんだけど、ラジオ番組のMCが曲受けで何て言ってるのかわからなくて(笑)、検索して。今の曲は何だったんだろう?って。

さかした 嬉しいっすねえ。

──初めて聴いて、どういうところに惹かれたんですか?

ホリエ まず、今のバンドかどうかすらもわからなかったんですよね。僕らの世代で言うと、ゆらゆら帝国みたいな空気感だったんで、今のバンドだとしたらすごい面白いなと思ったから調べたんですよね。そしたらまあ、まだそんなに作品も出してないバンドで。その後ひかる君が、ライブに遊びに来てたんだよね?

さかした そうです。今年の5月。その時にちょうど音源を持っていたので、遭遇した時にいきなり渡しました(笑)。

ホリエ その後に対バンも控えてたんだよね。entとFULLARMORのツアーで、東京のゲストに決まっていて。まあ、それも僕がドミコ好きだっていうことから当たってもらったんですけど。

──さかしたさんは、ホリエさんがドミコの音が気になってるらしいというのは、どうやって知ったんですか?

さかした 年末だったか年始だったか、ホリエさんが「今年よかった若手のバンド」みたいな質問に答えてて──。

ホリエ あ、そうそう。タワレコのサイトのね。

さかした そうです。あれを見て、「うわあ、なんで知ってるんだろう」って思ってびっくりしました。全然思いもしてなかったから。

──さかしたさんは、ストレイテナーの音楽とはどういう出会い方をしたんですか?

さかした 僕は、中学校の時に、間も無く潰れるみたいな感じになってるレンタルショップがあって、CDいっぱい買っとくかってそん時に思って──。

ホリエ 処分セールみたいな?(笑)。

さかした はい。いっぱいCDを買った中の1枚に、ストレイテナーがまだ2ピースだった時のアルバム(※『Early Years』)があって。それけっこう英語の曲がいっぱい入ってたんですけど、後半に入ってた“走る岩”が好きで。

ホリエ ああ、それは日本語の歌詞だよね。

さかした そうです。あれを聴いて、その頃に聴いてたほかのバンドの感じとは全然違う世界観だなって思って。小説みたいな世界観があって、それがすごい印象的で。メロディとかもめっちゃキャッチーってわけじゃないのに、なんかすげえ親しんできたような、懐かしいようなメロディで。当時すごく聴きましたね。当時の日本のインディーズとかって、青春パンクが流行っていて。その時にストレイテナーを聴いたら、ちょっとほかのバンドとは違うなっていうか。いろんな音楽を聴くんですけど、ストレイテナーのメロディと日本語の歌詞は、やっぱりいいなあって。で、最近思ったんですけど、自分で書く歌詞とかも、そういう世界観を大事にしていて。今思うと、そういうところから来てるのかもなって。

ホリエ その頃のストレイテナーの歌詞って、直接的な表現ってほとんどなかったんだよね。片や青春パンクって直接的だったから、かなり対極にあったと思う。うん、確かにドミコの歌詞は、何を言わんとしてるのかは難しい歌詞が多いと思うので、僕もなんとなくシンパシーを感じるんだけど、ひかる君も、その頃からシンパシーを感じてくれてたのかな。

さかした それはもう、ほんとにあると思います。あとストレイテナーは、曲のタイトルもその曲の世界観をすごく象徴している的確な言葉が多い気がするんですよ。タイトルは時間かけて考えてそうだなって。

ホリエ そうそう。タイトルは一番最後に、全部の歌詞を書き終えてからつけるから。だから、さらに新しい意味だったり、意味を強めたりする言葉がタイトルに出てきたりするんだよね。歌詞は「この曲で言いたいこと」とかはあんまり考えずに書いちゃうから、最後に「タイトルで意味づけする」みたいなことはやってたかもしれない。

さかした そこで完結する、みたいな感じですよね。僕もたぶん一緒な気がするんですよ。今回のアルバムでいうと“くじらの巣”っていう曲があるんですけど、「もがいて苦しんでどっかにたどりつく」っていうような流れの歌詞なんですけど、その中には「くじら」っていう言葉は出てこないんですよね。でも「くじらが流されてしまって死んでいく」っていうような現実が普通に人間の中にもあるっていうか。でも、もがいてどこかにたどりつくみたいな、両方の意味があって。「こう歌ってるけど、くじらの物語でした」っていうような思いもあって、“くじらの巣”ってつけて。意味をタイトルで補完するっていうのはありました。


まず自分だけでもグッとさせないといけない(さかした)



──『hey hey , my my?』は前作とはかなり違った印象を受けるんですが、ホリエさんはこの作品を聴いてみて、どんな感想を持ちましたか?

ホリエ もう、すごい面白かったです。

さかした わあ、ありがとうございます。

ホリエ ラジオに一緒に出演した時に、ちょうど今レコーディング中でこの後また戻るって言ってたよね?

さかした ああ、そうでした。

ホリエ なんだっけ、機材が使い放題のスタジオを使ってるって言ってたのを覚えてるんだけど。

さかした そうですそうです。ドラムとギターがけっこう幅広い機材が揃っていて、なんでも使い放題、試し放題だったんです。まあ、前回のアルバムが、自分が持ってるミュージックマンの古いアンプ1台と、ギターもほぼ、アコースティックとクラシックギター以外は、ライブでも使ってるダンエレクトロだけで、両方ともかなりチープな機材だったので。

ホリエ 今回のアルバムは、曲ごとに音が違う感じは確かにしたよね。録り方が違うのもわかるけど、ギターの音の違いも。ギラギラした音のギターサウンドとか、さすがにどのギターとどのアンプっていうのまではわからないけど、曲によって個性が際立っていて面白かったです。

──ホリエさんが特に気になった曲は?

ホリエ やっぱり1〜2曲目(“マカロニグラタン”“こんなのおかしくない?”)あたりですね。キャッチーだし、僕けっこうコードフェチなので、急に変なコード入ってきたりするところとか、面白いなと思いました。

──確かに、この曲は前作にはないビート感もありますよね。

さかした BPMが今回はまるっきり違いますね。前作はBPMが落ち着き気味で平均的だったので、今回は速い曲を何曲か作ってみようっていうところから始まったんです。そういえば速い曲って作ったことないなと。ライブでも『soo coo?』の曲とかを、めっちゃBPMを上げてやってみたりっていうことはやり始めてたんですけどね。

ホリエ やってたね、そういえば。

さかした そうなんです。ライブは音源通りにはほとんどやらないので、自分でもそういうところからインスピレーションを受けたりします。

ホリエ びっくりしたんだよね。こういうかっこいい音を作ってるバンドだと、ライブで「あれ?」って思うことも多々あるんだけど、ドミコはライブでさらにかっこよくて、さらにガツッともってかれる感じだったので。予想以上だった。

さかした いやあ、嬉しいなあ。

ホリエ 今回のアルバムはドミコのいい部分もよく出てるし、キャッチーなテンポ感とか、ガレージっぽい要素とか、かなり好みでした。“くじらの巣”とかは、歌が乗ってなくてもポストロック的なテクニカルなインストとしても聴けちゃうみたいなところもあって。これ、完全なるインストのバージョンとかも欲しくなるよね。

さかした “くじらの巣”は、オケ自体は前作の『soo coo?』の時に作ってあって、本当は今回の『hey hey , my my?』にも入れる予定じゃなかったんですよ。

ホリエ 単発で配信したんだよね。

さかした そうなんですけど、なんとなくライブでも反響いいし、意外にドミコっていう音楽に落ち着いてるなと後から自分が納得できたので、アルバムに入ってても面白いのかなあって感じで。

ホリエ 制作期としては『soo coo?』の時期のほうに寄ってるから、新作に入れるのは多少躊躇したってこと?

さかした 作った時期はそうだったんですけど、『soo coo?』の中には絶対入らないだろっていう。なので、歌入れの前に「この曲はやっぱりなしにしたい」って言って。前作の時はそれでめちゃめちゃ揉めたんですけど(笑)。

──もしかしたら『soo coo?』に入っていたかもしれない曲だったと。

さかした そうですね。僕がその戦争に負けていれば(笑)。サウンド的に、今でもやっぱり『soo coo?』のどこに入るんだよって思うくらい浮いちゃってて。それだったら単発で出すべきだなって思ってたんです。でも、歌詞をつけてライブでやるようになってからは、セットにも組みこみやすかったし、曲としてもあんまりドミコ自体に染み付いてる感じの曲じゃなかったので、歌詞は本当に力を入れて凝ったものをつけてみようと。そしたら自分がすごい気に入った曲になったから。じゃあ次のアルバムに入れてもいいかなあって。

──ホリエさんも、歌詞ができあがった瞬間に「この曲は!」と、手応えを得る感覚ってありますか?

ホリエ しょっちゅうあります(笑)。歌詞はやっぱり、とことん自分が気に入るまでどんどん書き直していくんで。最初は音感から書き始めるんですけど、それが徐々に意味を持って、全体を書き上げて、さらに光らせたいところをより磨いていったり、わかりづらいところの埃を払う、みたいな作業をすごく丁寧にやるんですよね。だから歌詞が書きあがった時に一番手応えがある。その瞬間の歓喜がないと、曲に対して誇りを持てないっていうのはありますね。

さかした 僕はようやく最近そう思うようになりました。やっぱりまだ音重視なんですけど、最近はそこだけじゃなくて、まず自分だけでもグッとさせないといけないと思って。そういう作り方をするのって大事なんだなあって。歌詞にあまり意味がなくなってくると、ライブでもやりたくなくなるっていうか、大事な曲じゃなくなっちゃうかもしれないから。大事に書きたいなって思うようになりましたね。

──じゃあ“くじらの巣”は、けっこう歌詞に時間をかけたんですね。

さかした そうですね。メロディに乗る言葉数とか、これで物語を作るのは難しかったけど、これができた時はエグいくらいに気持ち良かったですね。

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