BiSが、両A面シングル『WHOLE LOTTA LOVE / DiPROMiSE』でメジャーデビューする。実は、このグループにとって2度目のメジャーデビューだ。2010年に結成されたBiSは、2014年の横浜アリーナ公演で解散。しかし、2016年に新メンバーを募集して再始動した。昨年はレンタルトレードによってBiSのアヤ・エイトプリンスがGANG PARADEに移籍/GANG PARADEのカミヤサキがBiSに加入。今年の3月4日の両国国技館公演をもって、「第1期BiS」から「リーダー兼ヨゴレ担当」としてファンに深く愛されてきたプー・ルイが卒業し、サキとアヤのレンタルトレードが終了――という変化を一気に経て、新体制として迎えるメジャーデビューということになる。「アナーキー・イン・ザ・アイドル」というキャッチフレーズを掲げながら、ロックシーンも巻き込んでいこうとしている彼女たちに、現在の心境と新曲に対する思いを語ってもらった。
インタビュー=田中大
この1年でメンバーひとりひとりが、ちゃんとBiSになれた(ペリ・ウブ)
「この6人で」っていう前向きな気持ちが大きい(パン・ルナリーフィ)
――“WHOLE LOTTA LOVE”を、どんな曲だと感じています?
パン・ルナリーフィ 私は激しい曲が好きなので、わくわくします。ラップの要素が入ってるのが、BiSとして新しいですね。
ペリ・ウブ ライブで絶対に楽しくなる曲です。振り付けは、私が考えたんですけど、サキちゃん(カミヤサキ)がトレードで来てから、「振り付けってこういうものなんだ」ってたくさん勉強した成果を今回、注ぎ込みました。新体制ですから、「この6人でやっていくぞ!」というのを表現したかったんです。
ももらんど この曲、リズムも気持ちいいですし、踊りたくなると思います。《日進月歩》の「っ」とか、歌ってても楽しい音がたくさんある曲です。
ゴ・ジーラ プーちゃんが卒業して、サキちゃんがGANG PARADEに戻って、この6人のBiSになる節目に最高の曲を頂けたと感じてます。
キカ・フロント・フロンタール 去年出したアルバムの『Re:STUPiD』は、落ち着いたロックとか、優しい感じが多かったんですけど、パンとももらんどが入ってからはゴリゴリめのものが多いので、今後のBiSは、こっちの方向に行くんだろうなと思ってます。(ももらんどとパンは、昨年4月に加入した)
――歌詞も気になる表現が満載ですね。
アヤ・エイトプリンス はい。《行かなくちゃ》っていうのが、このターニングポイントで使われてるのが、個人的にすごく印象的なんですよ。
――《行かなくちゃ》は、今までのBiSの曲にも度々出てくるフレーズですよね。
アヤ そうなんです。私、実は「行かなくちゃビッチ」なんですけど。
――「行かなくちゃビッチ」って何ですか?(笑)。
アヤ BiSHとGANG PARADEの曲にも《行かなくちゃ》って出てくるんですけど、BiSHの曲以外の《行かなくちゃ》は全部歌ったことがあるんです。だから「行かなくちゃビッチだなあ」って勝手に思ってるんですけど(笑)。
――(笑)。BiSは「第1期」がスタートした時からプー・ルイさんが中心にいて、「BiS=プー・ルイ」だったと言っても過言ではないですけど、新体制で活動することに伴うプレッシャーはあります?
パン プレッシャーというより、「ここからこの6人で作ってこう!」っていう前向きな気持ちの方が大きいですね。
――約1年前の『Re:STUPiD』の頃に、もしプー・ルイさんが卒業したら、そこまで前向きにはなれなかったですよね?
アヤ その頃だったら、ものすごいプレッシャーだったと思います。
ペリ この1年でメンバーのひとりひとりが、ちゃんとBiSになれたんだと思います。
――アヤさんはBiSから離れてGANG PARADEでしばらく活動していた分、BiSの変化と成長を客観的に感じられる部分もあるんじゃないですか?
アヤ そうですね。すごく思うのは、サキちゃんが入ったことによって、振り付けやパフォーマンスがかっこよくなったということです。個々に成長して、歌も良くなってます。
ペリ 今の6人のBiSは、雰囲気も明るいのかなと思います。
アヤ みんながいろんな意見を出して、全員で作ってる感じがあるんですよね。
パン プーちゃんとサキちゃんは大きい会場でライブをやった経験がありますけど、この6人はまだそういう場所を知らないんです。だからこそ同じように大きな夢を見られるところがあるんだと思います。
ゴ・ジーラ 同じ景色を見て、同じように感動できる6人だと思いますので、ここからが自分たちでも楽しみです。
ぺリ みんなで新しいものをどんどん見ていきたいです。それが今のBiSですね。
死ななければいいよね?(アヤ・エイトプリンス)
死ななくて、法的に問題がなければ大丈夫です(笑)(ゴ・ジーラ)
――“WHOLE LOTTA LOVE”は、そういう今のBiSにすごくふさわしいと思います。先ほどアヤさんが挙げた《行かなくちゃ》もそうですが、研究員(ファンの愛称)は「おっ!」って思う言葉を見つけつつ、様々な解釈をするんじゃないでしょうか。
キカ そうでしょうね。過去の曲名とか歌詞のフレーズとかが入ってるんですけど、「ウチらはウチらなりに明るく行くから」っていうメッセージになってるのかなと私は受け止めてます。
――《行かなくちゃって歌いすぎて》っていう部分とか、BiSの活動に対して自嘲気味なところもあるのが面白いですね。これだけ何度も《行かなくちゃ》って歌いつつも、なかなか華々しい前進のしかたをしないのがBiSですから。
ゴ・ジーラ おっしゃる通りです(笑)。「早く行けよ!」って思いますよね。コミカルな感じがあって、私も面白いなと思ってます。
――BiSは100kmマラソンを走らされたり、車中泊ツアーをしたり、食事がお米だけになったり、いろいろ過酷なことが度々起こるグループでもありますけど、そういうものも飄々と乗り越えようとしている姿が浮かびます。
ゴ・ジーラ 何が起こっても楽しく行くつもりですから。
アヤ 死ななければいいよね?
ゴ・ジーラ うん。死ななくて、法的に問題がなければ大丈夫です(笑)。
――(笑)。何が起こっても明るく乗り越えられるのが今のBiS?
ゴ・ジーラ そうだと思います。去年の100kmマラソンの時も暗くならなかったですから。
ペリ 残念かもしれないですけど、悲壮感が生まれないBiSになってるんです。
――ももらんどさんとパンさんは、一筋縄ではいかないグループに加入したわけですが、どんなことを感じます?
ペリ 「こんなグループに入っちゃった……」とか思わない?
ももらんど 思わない(笑)。昔のBiSのことを調べると、びっくりしますけど。
キカ “My Ixxx ”の裸のMV観た時、どう思った?(“My Ixxx”は、2011年にリリースされたシングルの曲。当時のメンバーたちが全裸で森林の中を走り回ったり、湖畔で戯れたりするMVが話題となった)
ももらんど 伝説になってるから、「すごいなあ!」って思った。
パン 私はもともと、お客さんとしてBiSを観てたんですけど、このグループだけ黒いオーラが出てたんですよね(笑)。だから最初、怖くて音楽を聴けなかったです。
――白塗りの人もいるし?
パン はい。
キカ こんなに明るい白塗りなのに!(笑)。イベントとかのバックステージで、他のアイドルの娘たちが誰も話しかけてこないんですよ。何もしてないのに「ごめんなさい!」って謝られたり。坊主頭のサキちゃんとは2ショット写真を撮ったりしてるんですけどね。
パン やっぱ、怖いんだよ。
ゴ・ジーラ ミッキーマウスみたいなキャラクターだと思ってくれればいいのにね?
キカ ほんとそう。それも今後の課題です。
パン 話しかけやすいように、いつもニコニコしてなよ。
ペリ それだ!
アヤ 話しかけてくる白塗りアイドル?
ゴ・ジーラ ……そのキャッチフレーズ、なんか犯罪の匂いがする(笑)。