下手したら一生に1回しか会えない人たちもいると思うし、ほんと裏切りたくない(KO-SHIN)
——次はドームが2デイズ発表されてますけども。このスピード感とか大躍進についてはどう考えてるの?KENTA まわりからどう見えてるのかなって、不安になることはあるんです。でも、大きいとこを貸し切って、そこでみんなに何をどう伝えたいか、何をしたいかってことのほうに、僕たち3人は気持ちが向かってて。最近すごい感じるのは、あと何曲つくれるだろうか、あと何年歌えるだろうかって思うと、どんどん前に進まないとなって。ほんとは届けれたのに届けれなくなるんじゃないかとか思っちゃうと、そっちに気持ちがいきます。
——そっか。普通だったらこんな早くにドームって大丈夫なんすかってなりがちだけど、だって聴きたい人がいて、やれるんならやらない理由ないでしょ、っていう、そういう感じなんだね。
KENTA そうなんですよ。ラジオもテレビもドームも、全部そこがあるから。不安に負けそうになる時ばっかりですけど、3人だけでWANIMAやってるって気持ちじゃないんですよね。全国でもらったいろんな人たちの表情だったり声だったりが、僕たちを突き動かしてる感じはします。
——それの塊だよね。いつも笑顔なのも、長渕剛と『アナ雪』の重ね技も、何を見ても、WANIMAってそういう感じがする。それやらない理由ってなんなの?っていうか。それをきっと人一倍心配性なメンバーがやってるってところに、さらにグッと来るし。
KENTA 初めて観る人たちがどう思うかとかは気になりがちですけど。まあそれよりももっと、WANIMAの歌を聴いてくれてる人たちとか、ともに生きてる連中がいると思うと。その思いでやれてますね。
——ほんとそんな感じしますね。何よりもWANIMAの歌からそれを感じます。いやあ、どんどん大きくなると同時に純度が増して、かっこいいですね。
KENTA 伝わればいいんだけどなあ。このインタビューも、山崎さんの言葉も、全世界に発信してほしい。
——ますます大きな存在になってるってことは、きっとみんなに広がってるんだろうし、みんなそれを共有してるんだと思う。じゃあ、ドームに向けて、意気込みでも自分のビジョンでも、言葉にしといてもらえますか。
FUJI 祭りですね。ツアーファイナルですけど、ファイナルだ!っていう感じじゃなくて、夏のお祭りをみんなと一緒に開催できたらなって感じです。
KO-SHIN 年に1回じゃないですか。下手したら一生に1回しか会えない人たちもいると思うので。ほんと裏切りたくない。WANIMA最大の規模なんで、みんなの気持ちに応えたいですね。
KENTA 僕たちは、気負ったり、不安もあるんですけど、みんなはもっとラフに、「WANIMAがお祭りするらしいよ」って気持ちで来てほしいです。まあみんなが2日間来ないと成り立たないので、早く応募しろよって感じ(笑)。
——2デイズだもんねー。2枚買えよと。
FUJI 2枚と言わず、3枚、4枚。
KENTA 家族で来いよ、3枚、4枚。でもやっぱこの規模で回ってるアーティストもいるわけじゃないですか。だから僕たちはもっともっとたくさんの人に届けたいなって。そこは変わってないですね。どうしたらもっと面白い日がつくれるかなとか、そういうことばっかりです。
——「祭り」って言ってたの聞いて、なるほどなと思ったんですけど、WANIMAがアルバム出して大ブレイクして、ほんとにお祭り騒ぎでツアーやってるんだろうなと思ってる人は多いと思うんです。でも今回のツアーって、すごい真面目っていうか、ニューアルバムの曲を11曲も入れて、新曲2曲やって、真ん中にアコースティックセットもあって。360度ステージも、単なるサービスではなくて、あれは表現だったと思う。表現者としてすごい誠実なツアーをやっていた。だからドームは、それプラス「夏のお祭り」になったら、まさに最強だなっていう感じがしますね。
WANIMAは入り口がたくさんある。だから、いろんなWANIMAを準備できてたらいいのかなって(KENTA)
——あと、新曲の“Drive”がリリースされてるんですけども。これはどんな感じで生まれてきたんですか?
KENTA 監督も、WANIMAらしくつくっていいって言って下さったので。イメージしたのはフェスで歌ってるとこ、ライブで歌ってるとこ。またどうやったらみんなのなかにスッと入るかなっていうとこばっかりでしたね。あとはどこ抜かれてもいいように、妥協したくなかったので。だから詰め込んじゃったかなって、ちょっと不安なところもあるんですよね。
——そうなんだ。この“Drive”を聴いて、俺びっくりしました、改めて。
KENTA あ、嬉しい。ほんとに山崎さんに聞きたかった(笑)。
——ほんとスッと入ってくるんですよ。すごいポップな曲だから、入ってくるポイントがいっぱいあって、新曲としてみんな喜ぶな、最高だなと思ったんだけど。でも評論家として分析すると、実はものすごい複雑な構成になっていて。詰め込みすぎたって言ったけど、相当だよね、これ。
KENTA そうなんですよ、すごいっすよねえ。1曲でこんな詰めちゃって、バカじゃないのかな(笑)。
——でもね、すごくスッと入ってくる。で、気持ちよく流れていく。で、飽きない。もしかしたらロックの諸先輩方は詰め込みすぎだって言うかもしれないけど。
KENTA 言われそう……(笑)。
——でも新しい世代の人にとってはこれ、全然ジャストフィットだと思う。
KENTA そっか、新しい世代。ニューエイジ。
——ほんっとに力入れて曲つくってるなって伝わってくる。ジェットコースターみたいっていうか、1曲ですごいエンターテインメントしていると思う。今の時代そうじゃないと、って感じがすごくします。
KENTA はい。新曲は毎回、その1曲で全部が伝わればいいなと思う派なんで。となると詰め込みがちで。
——なるほどね。これはすごい新世代、新しい感じがします。
KENTA “ニューエイジ”にタイトル変えます(笑)。
——ここまで展開が凝っているってことに関して、ふたりはどう?
FUJI やっぱり3人に共通してあったのは、たぶん疾走感っていうところな気がします。
KO-SHIN ここまでの曲はなかった気もしますし。いきなり合唱から入ったり、新しい試みが結構あって。だからライブはすごい心配ではありました。
——なんで?
KO-SHIN 再現大丈夫かなって(笑)。
——うん、構成が緻密ってだけじゃなくて、たとえばアコギとエレキの組み合わせ方とかも変化していくから、確かに再現するの難しそうだね。
KO-SHIN はい。ど、どうですか?
——いや、すごいかっこいい。
KO-SHIN ライブも大丈夫ですか?
——それは知らないよ(笑)! (ライブで披露していた新曲) “りんどう”も含め、WANIMAの音楽的な進化を俺はすごい感じるんだけど、そこは本人たちってどうなの? WANIMAの音楽性の変化とかどういうふうに感じてるの?
KENTA 僕たち3人は同じスタジオに入って、日々いろんなことを実現させるために、それぞれが成長しないといけないところを伸ばすようにやってて。逆に、変わらないスタンスでやってるだけに、まわりからどう見えてるのかなって、そういうとこは気になったりします。でも、考えたらWANIMAは入り口がたくさんあって。“りんどう”から入った人も、こんな速いやつやるんだとか、速い曲から入った人も、“りんどう”みたいな曲もあるんだっていう、いろんなWANIMAを準備できてたらいいのかなって。最近はそこに着地しました。やっぱ1曲1曲、ちゃんと説明がつくようにつくっていきたいから。
——なるほどね。自分たちから自然に生まれたものを「これはWANIMAらしくないから」とかって、引っ込めたりはしないんだね。
KENTA ただ、ベース、ギター、ドラムだけなので。ライブハウスで育ってきたバンドが、どこまで自分たちと音楽の力を信じてやれるかってところで、いろんなことに抗って生きてる感じはするんです。それがどう見えてるのかなっていうのは、最近すごい思います。間違ってないかなーとか。
——自分たちの信念を貫くだけじゃなくて、聴く人の入り口はできるだけ多いに越したことはない。そのバランスだよね。悩み始めちゃうと悩んじゃうよね。
KENTA そうなんですよ! だから山崎さんにインタビューしていただけると落ち着きますよ。
——いやあ、ドームも楽しみだな! メットライフドーム、行ったことないけど。
FUJI 本当に暑いらしいです。
KENTA でも、暑いのが祭りですからね。
——この音楽的な密度というか濃さの上に、本物のお祭りが入ってきたら、きっとすごいものになると思う。楽しみにしています!
KENTA オス!