あの5日間が蘇る! 「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019」をWOWOWで

あの5日間が蘇る! 「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019」をWOWOWで

熱狂のトリガーとなるエネルギー。1日の始まりを告げるアーティストたちや、気鋭アーティストたちがもたらしたものは


 各日の熱狂を纏め上げる役割を担うトリの出演アーティストと同じくらい、長い1日の午前中から参加者の意気込みを受け止め、熱狂の場を生み出さなければならないトップバッターの役割は重要だ。GRASS STAGEで5日間の最初に立ったアーティストはゆず。弾き語りドームツアーを駆け抜けてきた彼らはふたりきりで登場し、堂々のドラマティックな幕開けを飾った。また、2日目トップの欅坂46による若き魂の光と陰を全身全霊で描いてゆくパフォーマンスや、翌週3日目のモーニング娘。’19による鍛え上げられたフィジカルとチームワークに裏付けられた華やかさも、それぞれに清冽なポップ体験として1日の始まりを告げてくれた。

 RIJFでは2回目の出演にして、3日目GRASS STAGEのトリ前というスロットに立ったのはあいみょん。しかし自身のペースを一切乱すことなく、時代を彩る名曲の数々を歌い上げてゆく姿が頼もしかった。また、King GnuはRIJF初出演で、2番目の規模を誇るPARK STAGEに視界一杯の参加者を集め、時に目眩のするような陶酔感を、時に挑発的な歌とバンドグルーヴを思うさまを描き出してみせた。シーンを衝き動かす急先鋒たちの活躍も、ぜひこの機会に確認しておいてほしい。

あの5日間が蘇る! 「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019」をWOWOWで

「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019」を代表する、5日間のトリを担ったアーティストたち。感涙必至のスペクタクルを見逃すな


 この2019年に2作のアルバムを同時リリースしたSEKAI NO OWARIは、抜き差しならない現実を踏み越えてゆくための幻想的な音楽の力を知らしめてくれた。2日目の10-FEETは、パンキッシュなアクトが多かったこの日のGRASS STAGEで信頼感抜群の兄貴肌ライブを繰り広げてみせる。翌週3日目のGRASS STAGEトリはBUMP OF CHICKEN。最新作ツアーの充実ぶりを注ぎ込みつつ、触れる者と確かな絆を作り上げてゆく美しいステージであった。4回目のGRASS STAGE出演でトリの座を掴んだUVERworldは、自らに反骨精神を植え付けてくれたというRIJFへの思いを語りながら、巨大な歓喜に観る者を巻き込んでゆく姿が圧巻である。

 そして、20回目のRIJFでGRASS STAGEの5日間を締めくくるべく大トリを務めたのは、すべての開催年にこのステージに立ってきた守護神・Dragon Ash。hideやIKÜZÖNE(B)ら、今回の舞台に立つことなく地上を離れたアーティストたちに思いを馳せ、“静かな日々の階段を”や“百合の咲く場所で”といった、幾度となくこの草原を特別な場所へと変えてきたメモリアルな楽曲たちも放たれる。豪華ゲストたちも次々に登場し、多様性の極限を示し続けてきたキャリアから叩き出されたそのミクスチャーロックの証明は、真に彼らの生き様そのものとして、RIJFの歴史に新たな1ページを刻むのだった。

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