地域密着型グループ・ほくりくアイドル部が1stアルバムで見せた多彩な音楽性

地域密着型グループ・ほくりくアイドル部が1stアルバムで見せた多彩な音楽性

一人ひとりの一つひとつの行いが、地元のみなさんに愛していただける理由につながっている(宮村)


――ほくりくアイドル部は、金沢在住の5人組バンド・Seattle Standard Caféのフロントマンである中新賢人さんが発起人なんですよね。

松井祐香里 金沢に密着した活動を10年以上続けている中新さんが、北陸新幹線も開通したことも追い風になって「若くてフレッシュな世代に北陸を盛り上げてほしい」という想いで立ち上げたのがほくりくアイドル部です。北陸地方のいろんな団体さんや企業さんとタイアップを組んで活動しています。

――個々での活動も多いのも特徴的だと思います。宮村さんは舞台に出演したり、奥村さんはモデルさんをなさったり。松井さんもYouTubeに動画をアップなさったり、2年連続で金沢マラソンにも出場なさったとのことですが。

松井 そうなんです。金沢マラソンは自分にとってすごく大きな出来事で。マラソンをきっかけにして知ってくださる方々も増えたし、「変わったね」と言われることも増えて。

――変わった、とは?

松井 参加したくてもなかなか参加できない金沢マラソンに参加させてもらうだけでなく、たくさんの人から応援してもらって、地元の新聞が一面で取り上げてくださったりして。そういうプレッシャーもいい方向にはたらいて、「ほくりくアイドル部のキャプテンとして、もっと頑張らな!」という気持ちになったんですよね。地元のみなさんにキャプテンとしての器を育てていただいたな……と思います。

宮村 彼女のすごいところは、金沢マラソンを完走するだけでなく、カメラを回して金沢マラソンのいいところを紹介しながら走って、それを動画作成してYouTubeにアップしているところなんです。これができるアイドルはなかなかいないなと思いますね。

松井 レアなことやると再生回数伸びるからね(笑)!

宮村 そういうことじゃなくって!(笑)。そういう一人ひとりの一つひとつの行いが、地元のみなさんに愛していただける理由につながっているのかなと思っています。

松井 うん。ほくりくアイドル部のことも北陸のことも、もっといろんな人に知ってほしいからね。石川県にもいっぱい来てほしい!

奥村星香 アイドル部の活動を始めてから「こんなにいいところいっぱいあったんや!」って新しい発見もいっぱいあって、地元をもっと好きになれたんです。全国の方々に北陸の魅力を知ってほしいですね。

わたしたちの衣装が白いのは、爽やかさと、あとは「どんなものにも染まれる、いろんなことができる」という意味も込められている(宮村)


――地元に密着した活動がプラスにはたらいているということですね。

松井 女性アイドルのライブのお客さんには男性が多いと思われがちなんですけど、ほくりくアイドル部は老若男女問わずいろんな方々に愛していただいているんです。それはやっぱり地元に密着した活動だからだと思っていて。

――と言うと?

松井 2017年に地元Jリーグチームの「ツエーゲン金沢」のマスコットガールに就任してから、いろんな地元のスポーツチームの応援ガールを務めるようになったんです。スポーツ観戦にはファミリーの方々もたくさんいらっしゃるので、3歳くらいの小さい子たちが「ゆかり姫~!」って声を掛けてくれて。今は「大きくなったらわたしもアイドル部に入りたい!」という子たちがたくさんライブに来てくれるようになったし、アイドル部の活動を見て「北陸でアイドルをしたい!」と思ってくれる子が増えていて。地元で活動してる意味を感じられますね。

――なるほど。スポーツ観戦は世代を選びませんし、ほくりくアイドル部の楽曲はどの世代の人々にも受け入れられる正統派アイドルを思わせる爽やかなサウンドや歌詞ですしね。親和性が高かったと。

宮村 でも最初は大変でした。“ツエーゲンのテーマ”はずっとSeattle Standard Caféが歌っていたので、その曲を突然こんな小娘が歌い出したら「この子たち誰?」「何もわかってないんじゃないの?」「応援する気あるの?」と思われてしまうのも当然なのかなって。だからわたしたちも中新さんたちが築いてきたものを自分たちが継承するつもりで歌って、ちゃんとサッカーやツエーゲンのことを勉強して、毎試合全力で応援して。そしたら少しずつ受け入れてもらえるようになって。

松井 ツエーゲン金沢を応援しているファミリーの方々やサポーター仲間同士でわたしたちの定期公演に来てくれたりもして。この前初めて定期公演に来てくださったツエーゲンのサポーターさんに「どうして来てくださったんですか?」と訊いたら、「いつも頑張ってツエーゲンを応援してくれてるから、1回くらいは定期公演に行かなきゃなと思ってね!」と言ってもらったんです。

宮村 最近は新潟や川崎、関西の対戦相手チームのサポーターさんも定期公演に来てくださるんです。アイドル部のステージを観るためにツエーゲンの試合を選んでくださったりとか。

――地元に密着することで、ほかの地域との交流も生まれていると。ほくりくアイドル部は、地元のいろんな文化の懸け橋になっているんですね。

宮村 わたしたちの衣装が白いのは、爽やかさと、あとは「どんなものにも染まれる、いろんなことができる」という意味も込められているんです。北陸はあったかい人が多いなとつくづく思うので、地元に恩返しをしたい。そういう気持ちで一つひとつのステージを大事にしています。

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