HYDEが新作『BELIEVING IN MYSELF / INTERPLAY』で示す夢とリアル

HYDEが新作『BELIEVING IN MYSELF / INTERPLAY』で示す夢とリアル

だらしない奴見るとムカついてきて、俺のほうが人としてカッケーなと思えるようになってきた。そういう意味でも、走ってると前向きになれる


――シングルとしては『MAD QUALIA』から約1年ぶり。両A面ということですが、まずは“BELIEVING IN MYSELF”について伺わせてください。東京マラソンのディレクター早野忠昭さんとの対談がきっかけでタイアップ曲として書き下ろされたそうですが、その対談で「隠れランナー」であると初めて話されたんですね。

「そうなんですよ。縁があって対談が実現して、何を話そうかなと思って。話のネタとして、隠してたことをオープンにするしかないな、と。マラソンの対談で、『僕、別に走んないし』とか言ってられない(笑)。ミュージシャンが健康に気を使うのをかっこわるいと思ってる、ちょっと古い世代なんで、これまでもブログとかで散歩の日記を書いたりすることがあったんですけど、実はあれ走ってたんですね。そうやって隠して、酒飲んだりとかそういうとこだけ見せるようにしたり」

――悪ぶっちゃうんですね。

「そうそう(笑)。そうやってきたんですけど、気がついたらちょっと時代が変わってるかなと思って。僕が走ってると言っても知れてるんですけど、筋トレもやってるし、そういう自分の健康管理しているほうが、今の時代かっこいいんじゃないかと思えてきた。だんだん、だらしない奴見るとムカついてきて、俺のほうがちゃんとしてるいうか、人としてカッケーなと思えるようになってきた。そういう意味でも、走ってると前向きになれる。今日走ったらいい酒飲めるでもいいし、昨日めちゃめちゃ食べたから走るでもいいし。同じ食べるんでも、そういう緩急あるほうが気持ちいい人生だと。そういう流れで、オープンにしちゃえ、と」

――そういうところから曲の着想が?

「音楽聴きながら走ることが多いんですよ。軽快な音楽を聴くとエンジンがかかるんで、自分も走ってて気持ちのいい曲であってほしいなと思って、そういうところからスタートしました」

――走る時、どんな曲を聴くんですか?

「仕事しながら走れるのがいいところで、たとえば次のコンサートのメニューを聴きながら走ったりとか。歌詞の確認しながら歌ったりとか。1時間走る間も有意義に使うようにして。だから自分の曲が多いですね」

――HYDEさんにとって走ることは、楽しみというより自己管理とか時間の有効活用という面が大きいんでしょうか。

「そうですね。楽しいと思って走らないですね。より美味しいご飯を食べる為にという流れなんで。走ってたら楽しいこともたくさんあるんですけどね。季節が変わって行くのとか見ると楽しいですよ。夜の街を走ることが多いんで、酔っ払いの横を走ったり(笑)。夜景とか酔っ払いとか、結構堕落した人間が見えますね(笑)」

僕自身も長年生きて来て、いまだに今から始めることでワクワクすることがあったりする。いつでもスタートできるんだなと思う


――MVが夜景なのは、そういう体験から?

「それはどうかな。健康的なイメージではあるんですけど、ダブルミーニングで、人生挫けたことがあっても前向きに何度でもスタートできるということを言いたかったんで。曲としてはマラソンのタイアップで、ランニングを人生に置き換えることもあるけど、曲としてはもうひとつの世界観、辛いことがあっても何回でもトライしてもう1回走り出そうという気持ちをね」

――自分自身へのチャレンジでしょうか。

「そうだね。僕自身も長年生きてきて、いまだに今から始めることでワクワクすることが結構あったりする。いつでもスタートできるんだなと思うし。何度でもできるということを表してる」

――この曲を聴きながら走ってみたりされました?

「いや、ないかも(笑)。これからかもね。僕はライブのイメージもあったんで、この曲がかかったらみんなエンジンかかるんじゃないかなって。ちょっと切ないメロディだったりするんで、そういうエンジンのかかり方。ちょっと悲しいんだけど、その分情熱的になるというかね。そういう風になるといいな。あと、みんなで歌う感じもあるし。ランニングしてても、すごく加速できると思う。気に入ってます」

――英語と日本語のバランスも自然で、歌詞も簡潔に意味が入って来ますね。

「なるべく、みんなで歌いやすいように。英語があるとハードル上がっちゃうんだけど。基本、僕は海外での活動を目指してるんで、増えちゃうんですけど、それ以外はシンプルでいたいなと思って、サビとか全部一緒にしたり。今回は比較的、僕の曲の中でもカラオケで歌いやすいんじゃないかなと思ってます(笑)」

――Japanese Versionがあるということは、English Versionもあるわけですね。歌詞は英訳するんですか。

「基本的には英語で書いた上で、日本語と差し替える感じですね。英訳ではなくて。意味を気にしだすと曲優先じゃなくなってくるんで。意味も重要だけど、メロディが流れてないと好きじゃないかな」

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